人としてのあるべき姿に、襟を正す思いがする。
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この本を読んで、自分の物事の判断基準、生活規律に、新しいものが加わった。読んでいる間と読み終わってから、自分を磨こうという気持ちがこれまで以上に強くなり、向上心が増した。自分の気持ちに勢いを無くしたり、消極的な気持ちが勝るとき、是非読み返そうと思う。
じっくり一人で考える、本を読む
★★★★★
対談中、城山氏が中曽根元首相に首相の資質の条件を問うた時の話が出てきます。中曽根氏の答えは、「やる気がある、けれどもギラギラしない。そして責任感が強い。あと大局観がある、懐が深い」。
「責任感が強い」。城山氏は伊藤忠の丹羽元社長や大西中将、阿南元陸軍大臣を引き合いに、大いにこの点を強調しているようなところがあって、面白い。「指揮官たちの特攻」が思いをよぎります。
「ギラギラしない」。対談相手の徳田虎雄氏は、「トップに立つ人は権力に淡白でないといけない」。「なりたい、なりたい」の人を経営者にした企業はだめ。私利私欲がある人は評価できません。少しでも利己が入ると能力が生かせない。」
表題の気骨、に戻ると、城山氏は大局観について、「目の前のことだけじゃなくて、大きな時代の流れを掴む力がある。そして一度決めたら、ぐらぐらしない。」「じっくり一人で考える、本を読む、といった無所属の時間をどう生かすかが大事ですね。そこで人間が違ってくると思うんです。」と述べており、どうもこの辺に氏の考える気骨の本質があるようです。(なお、氏は本を読んでいる人間とそうでない人間は顔つきで分かる、とも言っている。)個人情報保護法案の議論の際、テレビの記者会見で淡々と、しかし凛と反対を述べていた城山氏の顔が思い浮かぶようです。
「気骨」について
★★☆☆☆
城山氏と様々な作家たちとの対談を通してであるため、かなりラフな人生観、あるいはライフスタイルが表現されている。城山氏他対談者の作品のおさらいをするには格好の本かもしれない。所要時間は、ソファーで半日以下。