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女は男の指を見る (新潮新書)

価格: ¥714
カテゴリ: 新書
ブランド: 新潮社
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人間はもっと努力によって変えられるのではないかと、少しばかり反発したくなった。 ★★★★☆
動物行動学の観点から見た、人間の男らしさ、女らしさを主題に、最近の学問的な成果と著者の見解を加えながら、興味深い本に仕上がっている。

薬指の長い男性は、胎児期のテストステロンというホルモンの働きで、男性らしさが強い傾向にあり競争心が強く、音楽やスポーツの才能、自信や集中力、ねばり強さやリスクを好む性質に影響を与えるという。このため、女性が気になる男性のパーツとして「手」が第一位になるのだという。

また、人間の乳房がふくらんでいるのはなぜか、人間のぺニスはなぜ霊長類で最大なのか、ハゲの男は病気に強い、女性は匂いで自分とは異なる型の男性を選ぶ、などなど男女にまつわる話を、まじめに分析している。

男性らしさは生まれつきのものであるという説は、自分の指を見て納得させられるところもあるが、ほんとうにそれだけなんだろうか、人間はもっと努力によって変えられるのではないかと、少しばかり反発したくなった。
新鮮な切口 ★★★★★
表題から想像するよりは、まともで切口鋭い書物。
p57の「ファションデザイアーは結婚しても子供を作らない」その理由は「高いオリジナリティ、独創性を要求される職業」では育児は障害だろう、というくだりは創造性テストを実施している当方としては非常に有益な情報である。
各業種での創造性テストの結果ではファッションデザイナーがダントツに好成績だったからである。この種の人たちの日常生活は案外大変だろうとは思っていたので、p57の記述は大変に興味深かった。
創造性テストの詳細は当方のHPを参照されたい。テスト結果を業種別のマップで表示してある。
「サクション・ピストン」仮説は読んでおいて損はない!! ★★★☆☆
タイトルでもある『女は男の指を見る』、これは僕自身たしかに実感としてあるし、女性から指を褒められたという男性は、少なくないのではないか。別にそれで「役得」がこれまであったわけではないが、本書ではそういった「男の指」の問題も含め、動物行動学が専門の著者が、男と女が惹かれあうわけを解き明かす。

本書がまず前提として立てるのは、生物の繁殖活動が「種の保存」ではなく、個体の保存であるということ。人間界での常識とは異なり生物界ではもっぱらメスの側が、自分の遺伝子を残すための有能なオスを選ぶ。種という大枠がどうなろうが知ったこっちゃなくて、彼女らは、有能なオスにだけなびくのだ。本書では、これまでの動物を使った研究によって明らかになった、様々な種で今も開催されている遺伝子競争レースが紹介される。

それらから浮かび上がるのは、テストステロンやHox遺伝子、免疫力の証であるシンメトリーなどが三すくみになり、個体としてのオスの魅力を醸し出しているという事実だ。人間のオスに限って竿の先端があんな珍妙な形をしているかの理由など、一見トリヴィアルだが、「へぇぇ」と思わず唸ってしまうようなことも教えてくれる。

ただ著者の竹内さんは今年2月にも『草食男子0.95の壁』という本を著していて、実のところ内容はほとんど丸かぶりに近い。だから、二冊のうちどちらか一冊をといえば、内容も豊富で安価なこちらを選ぶ方が得策だろう。

ところでこれまで日本では差別につながると危惧した学会のある重鎮の一言によって、この種の実験が人間ではできない状態にあったらしい。著者はそれに反論し、「学問上の議論と一般社会の通念は切り離して論ずるべき」というが、こういったライトな新書に著していること自体、その両者を巡り合わせてしまっているように思うのは、僕だけだろうか。
普通の男がどう生きていけばいいのか ★★★★☆


 ライオンは新しい群れの長にになると、昔のオスが生ませた子供のライオンを殺してしまいます。
 動物の世界では子殺しは決して珍しい出来事では無いのです。
 強い男が自分の子孫を残すためにどのように体が機能しているか。
 どうして人間の生殖器が今の形をしているか。
 動物行動学から解説してくれています。
 そして最後に、普通の男はどう生きていけばいいのか、ヒントを教えてくれています。