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信長燃ゆ〈下〉 (新潮文庫)

価格: ¥830
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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   天下平定間近の織田信長と、そんな信長の野望を阻止せんと必死に食い下がる近衛前久。この不倶戴天のライバル同士の対決と葛藤が、この小説の基軸になっている。信長は、ひたすら天皇を超越する存在になろうとしている。朝廷を預かり、天皇家を守る前久にとって、それは到底容認できることではなかった。下巻では、2人の対立は傾斜度を増し、ついに前久は信長誅殺を決意し、その一計を案じることになる。

   東宮夫人・晴子との道ならぬ恋に、信長自身うつつをぬかしている間にも、じわじわと形成される信長包囲網。前久は、最後の仕上げとして、光秀に信長暗殺の斬り込み隊長になるよう迫る。さらには、首謀者たちと引き合わせて、彼を「本気」にさせようとする。これが本能寺の変直前に開かれた、有名な愛宕神社の歌会である。

   光秀が詠んだ「ときは今天が下しる五月哉」という句は、謀反のくわだてが読み取れると従来解釈されてきたが、著者はこれを一蹴する。光秀ほどの教養人が、自分の野心をひけらかすほど不作法ではないというのだ。むしろ、挙兵せよと促されたことに対しての覚悟の返答なのだと、著者は『平家物語』などを用いて開陳している。このくだりは、斬新な謎解きを見ているようで、非常にスリリングである。

   本能寺の変を朝廷対信長の王権抗争ととらえることによって、この事件は俄然新鮮味とおもしろみを得た。無駄のない文体と描写が、さらにこの小説を力強いものにしている。(文月 達)

時代小説の中で斬新な切り口です ★★★★★
普通の小説、特に時代小説と言えば、読んでいるうちに主人公が読者自身と重なって、読者が主人公となっているような錯覚を起こしてしまうことがあると思いますが、この本は、たぶん主人公となる人物が読み進むうちにいろいろと取り変わっていくようです。主要な登場人物のすべてがこの小説の主人公でしょう。
このトリックは、この本を書き上げているという江戸時代の公家出身の人物が登場させることにより、著者は第三者的な立場を取っているためです。
時代小説は、合戦での武勇伝が多く、読み続けている読者がエキサイトしてヒーローになった気分を味わえることが面白いところですが、この本は、朝廷(公家)との謀略、ラブロマンスをまじえた小説に仕上げています。
大河ドラマ的なところがあり、男性も女性も読める時代小説だと思います。
上巻、下巻のページ数を合わせると800ページは軽く超える大作で、じっくりと読まれてはよいかと思います。
恋 信長 ★★★★☆
上巻での読者を先へ先へ導きつつ、恋愛小説を信長へ絡める。こんなのもありかな的で楽しめる。表現はもちろん自由であり、小説事態はエンターテイメントであるから「信長燃ゆ」というタイトルに納得かなぁ。ただしわくわく感は上巻の方があった。対外国を見てる信長を理解できない前久が信長排斥に動いていく様子はとても新鮮である。