本著で説かれているのは、20世紀型成功法則からの脱皮方法です。
そのために必要な10個の項目を取り上げて、具体的な視点の置き方と行動への落とし込み方を解説します。

　特に役立つのは、モーレツサラリーマンとして大成功を収めた著者が、徐々に人間として転落していった過程が赤裸々に記されている所です。なぜそういうことになったかの心の軌跡を著者は正直に語っています。

　一番ピッタリ来たのは、「頑張る」「頑張らない」という二者択一で成功や幸せを評価してはならないことがわかったことと、「今すぐわかる自分の潜在意識」を知ることが出来たことです。

　ある方から「最低三回読め。読む前より目の前の世界が広くなる」といわれて読みましたが、その通り、いやそれ以上の本でした。
　

１９９９年出版の本ですので、若干古くなっている部分もあります。世界同時金融危機を予想しているような記述もあり、内容自体に古さは特に感じられません。２１世紀は「こころの時代」と言われることがしばしばあります。しかし、こころの時代がどんなものであるか思い描くことができません。これは、過去から未来を推測しようとしているためです。心の時代のビジネスは２０世紀型の優秀な人ほど思い描くことができません。それは２０世紀的価値の否定でもありますから。こころの時代にはどんなトレーニングをすればビジネスで成功できるのか。ということで、１０の原則とその解説が紹介されています。この本ではプロローグが重要だと思いました。１０原則は、仏教の教えなどにとても似ているように感じられました。スピリチュアル系の本などで紹介されている内容にも共通しています。心を高める普遍的な方法なのかもしれません。１０の原則すべてを満たしている方は余りおられないでしょう。どこかに気づきがあり、明日からの行動を修正するきっかけにできると思います。

ビジョナリーになるための１０の法則

　１）思い描く
　２）意欲
　３）正直
　４）責任
　５）冒険
　６）自己表現
　７）分ち合い
　８）パートナーシップ
　９）貢献
１０）コミットメント

実例も豊富で何よりわかりやすい表現で書かれています。
分ち合いの法則が存分に使われているようです。

読んで理解して行動する。

ひとつひとつの法則についてチャレンジをしていくのが本書の使い方だと思います。

そのチャレンジしている意欲が社会貢献につながっていくと確信しました。

それが２１世紀型のリーダーシップです。

世界でも最先端の心理学といわれるビジョン心理学。著者はそのビジョン心理学ジャパンの代表であり、ビジネスもパートナーシップ（家庭や人間関係）も幸せな成功者として国内はもちろん海外でも御活躍されていらっしゃる方です。

この本に書かれている１０の法則は、ビジネスに応用するとプライベートにも、プライベートに応用するとビジネスにも。どちらに応用しても結果両方にハッピーな影響の出る素晴しいメソッドだと思われます。

副題で未来活力を生むためのヒントとありますが、ヒントを超えて「答え」（！）と思われる程です。人が持つ「心や才能のパワー」を簡単にだれもが応用できるように、わかりやすく書かれた、そしてビジネス以外の分野にも使えるビジネス書を超えたビジネス書です。