「ジョーク集」となっておりますが・・・・・・・
★★★★☆
「ジョーク集」というより「戦時下の文化史」といった印象を受けました。
歴史教科書にはあまり記されない
庶民の目から見た「太平洋戦争」を知るための資料として読むべき一冊だと思います。
シリーズとしての期待はしないほうがよいかと
★★★★☆
この本は微妙ですね。
シリーズの中でもかなり異端名存在になっています。
戦時下のため、笑えない笑いになってます。
ただ、戦争の状況下の資料としては貴重かもしれません。
正直、このシリーズに入れずに別タイトルで出したほうが良かったのではないでしょうか。
このシリーズの名を冠しているので、期待したものと違うという印象はぬぐえないと思います。せっかくの良い内容がもったいない。
笑えないジョーク集
★★★☆☆
ジョーク集と銘打ってありながら、戦況の悪化に伴って言論統制や国威発揚の色が濃くなっていく様子が分かり、読んでいて笑うどころか陰鬱になること間違いなし。
しかし、当時の一般の人々の生活や「お笑い業界」の活動を織り交ぜながら、時代の空気を描き出す手法は秀逸と思える。
太平洋戦争といえば、ミッドウェイ海戦における情報戦とか原爆投下の人道的是非に議論が集まりがちだが、それらとはまた違った側面を知ることが出来る一冊。
笑いにこそ偽りのない世論がある
★★☆☆☆
日に日に疲弊していく戦時下にありながらも民衆は笑いを忘れなかった。言論統制下にも関わらず、当時許されるギリギリの表現で辛い戦争を笑い飛ばす。雑誌からの抜粋を主体に、落語や流行歌などを交えて当時のジョークを紹介。その中に見え隠れする当時の世相を分かり易く説明した異色の一冊。
報道管制、言論統制下にあった当時でも、替え歌などのように出どころがハッキリしないものは、思いのほか政府や軍部を痛烈に皮肉った文言が横行していたのが分かる。雑誌などもストレートではないが生活の不自由さなどを笑い飛ばす柔軟さをある程度保っていたようで興味深かった。
笑いはその時代を色濃く反映する。いつの時代も民衆は強くしたたかに生き、そして身勝手なものである。戦争の流れにしたがい人心もこれに追随、一等国たる自信から慢心へ、そして軍への不満にはじまり、疲弊した自らの生活をあざ笑う自虐ネタへと変化していく。読み進むうちに、笑いにこそ偽りのない世論があるのだと感じた。
ジョーク集という題名の割には、少々掲載数が不足している気がします。風刺や皮肉などもう少し充実して欲しかったですね。駄洒落が大半で、特に面白いわけでもないので単純に本書を読んで笑おう!と期待している方には全くオススメできないので注意が必要です(笑)
ちなみに満州事変・日中戦争篇もあります。
ためにはなったが
★★★☆☆
この著者の「日本人ジョーク集」と「反米ジョーク集」が
大変面白かったので、こちらも読んでみました。
「面白い」という観点からすれば
期待はずれでした。
他のレビュアの方も仰っているように、
今回はあまり笑える内容のものではありません。
太平洋戦争当時の日本の様子を
芸能、雑誌などから抜粋し、
一応「笑い、ジョーク」というフィルターを通して
眺めている、という印象は受けます。
ただ、名前だけは知っている「エンタツ・アチャコ」なども
活字だけ見ていてもそれほど面白くはなく、
ジョーク集という視点からみれば期待はずれかも知れません。
ただ、日本史の時代でも飛ばされてしまいがちな
近現代を「笑い」という視点から書いているので
比較的分かりやすく近現代の歴史を学べると思います。
芸能史(落語、漫才など)の勉強にもなりますし、
庶民の暮らしも垣間見ることが出来ます。