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野球を学問する

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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桑田真澄元投手と、平田竹男さんとの対談集です。
「新野球道」の提唱 ★★★★★
40歳を過ぎた元プロ野球選手、桑田真澄氏が一念発起し早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学し、1年間の集中研究に基づいて「新野球道」を見出すまでの足跡を、担当教授である平田竹男氏(「サッカーという名の戦争―日本代表、外交交渉の裏舞台」の著者)との対談の形でまとめた対談集です。深く思考しながら真摯に野球道を追求してきた桑田真澄氏を再評価しました。その真摯さは尊敬に値します。

先輩やコーチ、監督から受けた理不尽で不合理なしごき、いじめ、長時間練習などをはじめ、高校1年生にしてすでに自分で考えながら野球をしていたこと、自分の信じた事なら新入生の立場であっても堂々と監督に直訴したことなどが、冷静に訥々と語られます。

そしてその日本野球界の悪しき習慣(練習量の重視、精神の鍛錬、絶対服従)が、飛田穂州が前の大戦中に当時の敵性スポーツである野球を守るために提唱した「野球道」に端を発する事が明らかにされます。

桑田真澄氏はその旧態依然たる悪習の基となっている「野球道」を、早稲田大学における自らの研究に基づいて再定義した上で「新野球道=スポーツマンシップ」を提唱します。そこでは「練習量の重視」は「練習の質の重視」に、「精神の鍛錬」は「心の調和」に、そして「絶対服従」は「尊敬」に置きかえられ、彼の「新野球道」の根幹をなします。

平田竹男氏が本書の最後でいみじくも述べているとおり、この「新野球道」はただ単に野球にとどまらず、あらゆるスポーツ、さらにはスポーツ以外の人間の活動分野にも適応することができるのではないでしょうか。そういう意味でも本書の投げかけた意義は非常に大きいものがあると思います。桑田真澄氏のこれからの活躍に期待が持てますね。

文章は非常に明快かつ簡明なので半日ほどで読み通せます。野球好きな人ならもちろん、そうでない人(私がそうです)でも一読されることをお勧めします。
新しい野球道 ★★★★★
 Jリーグ創設にも携わり、早稲田大学院教授の平田氏に師事した、
桑田氏の対談形式の内容。

 今まで実績のある選手は誰も言わなかった、指導者による理不尽な
体罰・後輩いじめ・常軌を逸した長時間練習などの、野球界の悪弊に
正面から向き合っている。

 そして一番素晴らしいところは、実績・名声十分な桑田氏自身の経験
だけではない。現役プロ野球選手270人や、六大学選手達へのアンケート
をとり、しっかりと研究・統計だてる。
 野球界を根底から改革しようとする、桑田氏の情熱が伝わってくる本。

 野球界を良くする為にも、ぜひ桑田氏に期待したい。
桑田流、野球を学問とは。 ★★★★☆
知の桑田らしいアプローチです。
プロ野球をやめた後も勉強をする、この姿勢は見習いたいと思います。人間、桑田真澄として素晴らしい。

いつでも勉強はできると勇気付けられる感じです。
桑田さんの論文自体はこの本では読めないのですが、エッセンスは分かります。

野球に何らかの形で関わっている人には是非一度読んでみて欲しいと思います。
特に高校野球をやっている人は必見です。
素晴らしいです! ★★★★★
野球に関わる全ての人達に、特に少年野球の監督、コーチに読んで頂きたいです!そしてもし実践出来たならば間違いなく日本球界のレベルが上がることでしょう!
サイエンス+アート=マーケティング ★★★★☆
野球はチームプレーとされているが、ピッチャーというポジションは少々特異。野球はピッチャーが投げるボールから始まるので、他のポジションより責任が重い。しかも投げ続けるので体力も使う。
つまり、『マインド』と『フィジカル』と両方の面で、他のポジションより負荷がかかる。もちろん、その分注目度も大きいが。
まさに、ハイリスク・ハイリターンなポジションである。

この本で一番意外な事実だったのは、桑田投手はPL学園時代に監督に「練習3時間」を提案したこと。彼は、効率的で合理的な練習方法に取り組んでいたのだ。
桑田投手に対しての「ストイック」なイメージは、練習「量」ではなく、練習の「質」とその「質」への信頼に由来していたのかと、改めて感じた。その「質」が担保されれば、当然体と心へのプレッシャーが減る。

もちろん「質」を高めるには、頭を使う。考えなければならない。そしてその「考える頭」を育成するには、健全なマインドが必要である。

そして、孤独に陥りがちなピッチャーでも、やはり一人では「勝つ」ことは出来ない。最終的な目標の「勝利」には他のチームメートとの力も必要(投手としての目標が、奪三振の数なら話は別だが…)。だから他者への「リスペクト」。

桑田投手は、卒論の中で「スポーツマンシップ」を「練習の質の重視」「心の調和」「尊重」に分解して、野球道の再定義を行っている。

しかし実のところ、スマートすぎて何か物足りない。スポーツ、特に直接対戦型の競技では、真剣勝負ゆえにプレーヤーが熱くなって素が出たり、相手(&観客)とのダイナミズムにより想定外のことが起こったりするのが、醍醐味なのではないだろうか?そう、もっとホットな感じ。見る者を熱狂させる、感動させる、魅了させる。

今後、野球界をビジネスとして盛り上げていくには、「魅せる」プレーヤー、つまりマーケティング的にはエモーショナル面でも人々にアピールできるような人の育成も必要なのではと思う。「個性」という言葉に言い換えられるのか、もしくは「アート」というか。。。