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ユトリロと古きよきパリ (とんぼの本)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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いい本であるが通りの名前に間違いがある ★★★★☆
1985年の初版以降、着実に版を重ねている同書だが、私が購入した88年の5刷まで修正されなかった間違いに最近、気がつきました。
現在購入できる新品で修正されているか、確認しょうもありませんが、老婆心ながら書いておきます。
表紙のユトリロの絵と絵はがきの説明がサン=リュスティック通りとしてありますが、間違い。この道からサクレ=クール寺院の側面はこのように見えない。間にサン=ピエール教会があるので、見えないのです。
81頁下段写真に現在のコルトー通りとあるが、正しくはサン=ヴァンサン通り。96頁にあるアジェの写真説明に、ラ・ボンヌ通りとあるが、この通りからはこのアングルでサクレ=クールは見えない。ミシュランを見れば一目瞭然です。いい本であるだけに残念。
90歳の人生を生きた酔いどれ画家とパリの風景 ★★★★★
 ユトリロ(1865−1955)は、その生涯において、アルコールに依存して入退院を繰り返した。それにも関はらず、彼が90歳と長生きをした事には驚かずには居られない。(矢張り、酒は百薬の長なのか)ユトリロは、日本の歴史で言へば、幕末から戦後までの長い年月を生きた画家なのである。それにも関はらず、彼が描いたパリの光景が変化して居ないと感じられるのは、パリと言ふ町の歴史の厚みなのだろう。又、その長生きの反映なのか、それとも飲酒の影響なのかは分からないが、この本に収められたユトリロの作品を見ると、優れた作品とそうでもない作品の差が大きい事に気付かされる。ユトリロは、佐伯祐三やゴッホの様な天才ではないが、それでも、良い絵を沢山残した画家である事は明らかである。
 本書は、そのユトリロの作品を概観し、彼の(酒まみれの)人生と時代を知る為の好著である。ユトリロの場合に限らないが、芸術家の一生を読む事で、歴史を勉強出来ると言ふ点でも、フランス近代史の格好の入門書に成って居る。

(西岡昌紀・内科医/平成19年の晩秋に)