Greatest Hits: 1974-78
価格: ¥1,020
ベスト盤というものは往々にして、そのアーティストが本当にもつ才能の広がりを知るチャンスを、聴く者から奪ってしまうものだ。しかしスティーヴ・ミラーに関していえば、そうではない。12曲入りのアルバム1枚よりも、FMラジオという楽園から時折飛び出すヒット曲を作ることに、常に彼の強みはあったのである。本作は、ブルージーでハイになったヘイト・アッシュベリー時代を経て、ブルースをベースとしたよりわかりやすいポップロックに転向した後、ミラーが最も成功した時期のベストシングルをたどる。滑らかなグルーヴの「The Joker」「Fly Like an Eagle」もあれば、リフを聴くとついギターを弾く真似をしてしまうロック「Take the Money and Run」「Jungle Love」「Rock n'Me」「Jet Airliner」もある。目新しいアートを期待してはいけない。期待していいのは、“pompatus of love”といった言葉遊びやその場の満足だ。これはクラシックロックを聴きながらビールを飲むのにマストの音楽なのだから。(Neal Weiss, Amazon.com)