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輪違屋糸里 下

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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そんなこたあない・・・。 ★★☆☆☆
壬生を読んで、楽しみに拝読しました。
しかしながら、あまりにも女と男の生き物の違いを書きすぎて、途中から重たいばかり。
気がつけば、最後まで読みきってしまうのだから面白いのかも知れませんが、あの時代の新撰組。殺伐とした血なまぐさい日常の裏に、女の血生臭さと情愛を書き込みたかったのでしょうがあまりも極端。

お梅をあそこまで獏連女に仕立てて、最後は惚れた男と添い死にする設定なんて、言い回しが大人言葉なだけで、子供でも書かない設定。

それとどうしても腑に落ちなかったのが、吉栄があっさり裏切るところ。そこまで惚れて恋焦がれた男を、己の出世欲で見殺しにしてしまう。最後は他人様の情愛で子供に自分の後悔の念を乗せて生んでしまう。それも見え見えの女の子。
その鬼畜女を書き込むことで、女の汚さ、強さ、したたかさを演出したつもりなんでしょうが、そんな鬼畜な書き方はないなあ。糸里の割り切り人生も、それに輪を掛けてうそ臭い。
そんな薄情な女しか生きていない時代を書いて、どこで感動するのか解りませんでした。

女性はそんなに強くなれない時代だと思います。
「新撰組」でどこまで稼ぐ! ★★☆☆☆
 私は、「壬生義士伝」を傑作と評価する。
 しかし、同じ作家が、「新撰組」をガイドブックにしたり、サイドストーリーで次から次に書き散らすのは、精魂傾けた(であろう)「壬生義士伝」への、自己否定ではないのか?

 このような、女性ファン向けのお涙頂戴物語を書くなら、それを「壬生義士伝」の取り込むという能力を発揮してほしかった。


 能力があるのにどうして、二番煎じ、三番煎じをするのであろうか?
糸里の啖呵に感動! ★★★★★
浅田氏の新選組への思い入れと知識の深さもさることながら、女性の心理まで丁寧に緻密に書き上げる力量にひたすら敬服。
運命に流されるまま、翻弄されるままに生きるしかなかったであろう島原女性・糸里の、土方に切ったあの啖呵、涙が出ました。
知将・土方の非情さ、それでいて土方の並々ならぬ新選組に対する静かな情熱と侍になるための執着も説得力十分。新選組を愛する浅田氏だからこそ描けたのだと実感。

女性にも是非読んでほしい、浅田歴史小説の傑作。
空恐ろしい物語です ★★★★☆
よくもこんな恐ろしい話が書けるものだと読み進みました。
様々な登場人物の独白で話が進むのですが、それぞれがそれぞれの内に「毒」を抱え込み吐き散らしながら話は進みます。
闇の中でモゾモゾと何かが蠢いているような、空恐ろしい気持ちになります。
実際にあった事件に基づいているので、話の顛末は知っているのですが物語としてどういう風に収めるのか? 
ひたすらそれを知りたいが為に一気に読み終えました。
物語が終盤に差し掛かり、それまで物語に漂っていた「毒」がストンと落とされます。
それは作者自身の優しさから来るものかと思います。
確かに「毒」を撒き散らしたまま物語が終結すれば、後味の悪い物語になってしまったかもしれません。
ある程度の「毒」は落とさなくては、この物語は成立しないのでしょう。
ただ落とさずに置いた方が良い「毒」もあったのではないかとも思いました。
綺麗に落とされてしまったが為に、禍々しかった雰囲気が一掃され肩透かしにあったような気がしました。
何度も読みたい本 ★★★★★
上巻に比べ物語の展開が早くなっていきます。
どの人物も少しずつ見解が違い、しかし誰の言うことも一理ある。
登場人物の間にそれぞれの立場から生じる対立や策略や情があり、それが
巧妙にからみ合っている人間関係に引きこまれて読みました。
生き様を貫くために誰もが自分なりに「戦った」のだと思います。
新撰組では悪役として描かれることが多い芹沢鴨の心の内の哀しさに、
死というものが今より身近であった厳しい時代が象徴されているように
思えました。