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輪違屋糸里 上 (文春文庫)

価格: ¥610
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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最終的には、命の大切さを訴えている物語です ★★★☆☆
京都の壬生村、島原を舞台に、

創設当時の芹沢鴨が局長だったころの新撰組の人間たちを
そこに係わった女性たちの視点で書かれてます。

係わった女性というのは、主に島原の芸者(天神)2人と
壬生村で新撰組の世話をしている家のおかみさん2人です。

幕末の激動に時代、自由に生きられない女性たちや
新撰組の面々の命のやり取りを描いて、

最終的には、命の大切さを訴えている物語です。

糸里さんの言動もさることながら

私個人としては、壬生八木家のおまささんの思い、

「どうも男というものは、人柄の判断はできても
 とっさの顔色を窺うことが不得手のようである。」

には、ぎくっとしました。

私も、人の表情や、感情の変化に鈍感で

さっぱり気付かない人間なんです。。。 (^^;
人は誰もが矛盾を抱えて生きているのだが ★★★☆☆
新選組局長芹沢鴨暗殺を、筆者独自の視点で解釈した本作。

相変わらず、筆者の想像力には驚かされる。特に新選組屯所内での隊士同士のやりとりは、「見てきたんかい」と言うほどリアルである。私の記憶では、筆者は自衛隊にいたこともあるんじゃなかったかなあ。さすが。

しかし、たくさんの登場人物の虚と実が入り交じり過ぎていて、矛盾している点もあるように感じた。また、感情移入できない部分も幾らかあった。

ちなみに壬生義士伝で泣かされた私でしたが、本作では泣けず。泣かされたい人は、あまり期待してはいけないかもしれない。
想像力と描写が優秀すぎる ★★★★★
新撰組のファンとしては、どこまでも愉しめる作品だと思う。

それは史実を元に、作者浅田次郎の考える芹沢鴨の姿が、
破綻なく、道理に満ちた考えによって導き出されているからで、
そこの所の読みが浅いと、
『酔っ払いの鴨が、武士の鑑のような書かれていておかしい』と思ってしまうから要注意。

また土方や近藤らの各人物の本当の性格や、考えていたことは誰にも判らない。
判らないからこそ、自由に想像できるし、
そこに明確な理由が添えられ、筋が通るように描かれた物語を読むと、
読者には堪らなく面白く感じるはず。


また、作者自身も好きであると公言している、天神の糸里が丹念に描かれてて、
思わず糸里の物語だけを読みたくなるかも知れない。

殆ど資料も残っていない糸里を主にして、
これほどまでの物語を作り上げたのは、凄いとしか言い様がない。
そのうえ糸里が堪らなく可愛らしく、健気であり、それでいて恰好良い。
そういった人物の描き方も、風景描写も全てに於いて巧みなのだ。

そんじょそこらの作家が、
勝手な想像のままに手軽に書いたものとは全く異なるといえるだろう。
浅田先生が、伊坂幸多郎の文学賞受賞を悉く反対するのも肯ける。
幕末は多くの女達がその歴史作りに貢献していた ★★★★☆
特に、京において、祇園、島原等の花街の女達が、多くの義士たちの影となり彼らの活動を支えていたことはよく知られている。
だから、維新後、我が国の政治家の奥さんたちが、かつては花魁であったり、禿の時代からのつきあいだったような人物も多く見られた、と言う面白さがある。

そのような女性たちを扱った作品がないではないが、本作はその中ではぴか一のものだろう。
作者浅田次郎の幕末、特に新撰組モノと言うと、名作壬生義士伝 上 文春文庫 あ 39-2があり、本レビューでもかなりその比較が言及されている。
本作で扱うのは、やはりあくまで幕末の京都の花街の一つ、格式高い島原の女性の世界であり、その彼女たちにとって、幕末は、勤王、佐幕の抗争はどうだったのか。彼女たち自身の生活にどう影響があり、彼女たちはどう見ていたのか。
このところ、幕末モノと言うと、龍馬を中心にやはり時代のヒーローにやたら目に行くようだけど、本当はその時代に生きた、ごく普通の人々、あるいは本作のように、それらヒーローのそばにいて彼らを時に支え、時に時代をともに作ったであろう女性たちに興味が行く。

浅田次郎の真骨頂の題材であり、フアンにはたまらないと思う。
若干この上巻では、舞台設定、モチーフ設定に時間が割かれ、話としていまいち面白くないかもしれない。
だけど、それは杞憂と言うもの。下巻に行けば、あぁ、と一気に読み進めるでしょう。
これはこれで、やはり浅田の代表的幕末モノと読んでいいと思いますね。
新撰組のことは何も知りません… ★★★★☆
この題名でピンと来て、あるいは「壬生義士伝」からの流れで読んだという方々の中で、何だか肩身が狭い。
実は、新撰組については名前くらいしか知らなかった(笑)。
幕末もののドラマって何だか難しくて、子供時代からまともに見たことがなかったもので…。
だから沖田という美少年剣士がいた…くらいしか知らずに読んだ。
この本を読んでいる途中で、たまたま京都のガイドブックを見る機会があり、「八木邸」が載っててビックリ!
本当に八木さんだったんだ(笑)!
本当にいた人なんだ(笑)!
そんな素人でも、ちゃんと読めました。
様々な立場の女性の目を通してメンバーのキャラクターがくっきりと描き分けられ、これで私も芹沢鴨と土方歳蔵についてはある程度イメージが掴めたぞ!?
本当は「壬生義士伝」を読もうと思ったのだが、方言が読みにくいかな?と、何気なくこちらを手にとったのだが、「壬生義士伝」これから読んでみようかな。