ニューヨークはブルックリンで執行猶予のマフィアとの銃撃戦に巻き込まれ、ひとりの黒人少年が命を落とした。カリスマ的支持を集める市長パパス（アル・パチーノ）は、これを大統領選のキャンペーンに利用しようと、補佐官ケヴィン（ジョン・キューザック）に事件の処理を命じる。しかし、ケヴィンは独自に捜査を進めていくうちに、事件の背後にある陰謀に気づき始め…。
 『シー・オブ・ラブ』などの俊英ハロルド・ベッカー監督が、市政とマフィアの癒着を描く社会派サスペンスで、原案は元NY市助役のケン・リッパー。真実を追究していくたびに証人が次々と消されていくサスペンスに、いぶし銀の名優たちの演技を堪能できる。そして、何といっても悪のカリスマを体現するアル・パチーノの貫禄！（的田也寸志）