「as opposed to」を例にとってみましょう。
・翻訳者に人気の辞書L:「~に対立するものとして、~とは対照的に」
・電子辞書などで人気の辞書G:「~とは対照的に、~に対立するものとして」
・ベストセラーTOEIC熟語集D:「~とは対照的に(反対の)」
・この(マケーレブの)辞典:「~と比べて、~に対して」
他にも様々な辞書や書籍を調べてみましたが、日本のものは大同小異です。
熟語集Dの例文には、こうあります。
「Your needs, as opposed to your wants, should have priority.」
(欲望とは反対に必要性が優先されるべきだ)
この和訳で意味が通じますか?
理解しがたいですよね?
本当の意味はこうでしょう。
「欲しいものより必要なものの方が優先されるべきだ」
マケーレブの辞典の語義こそが、適切かつ簡潔明瞭といえます。
日本では間違った語義が、そのまま流用されているのでしょう。
「as」関連の熟語を少し調べてみるだけでも、このような事例が多数あります。
「as such」「as of」なども、「as opposed to」ほどではないですが、
このマケーレブの辞典の語義は熟語の本来の意味を見事にあらわしています。
学生をはじめ多くの日本人が、的を射ない語義を必死に暗記しているなんて、悲劇です。
根本的に「イディオム」の意味の捉え方の違いもあるが、多くの他のイディオム辞典はイディオムとただ意味が載っているだけのものがほとんで非常につまらない。例文もあまり載っていない。
一方この辞典は例文も豊富(英語関連の辞書で例文が多いということは、英語学習には重要なことである!)で、場合によっては使われ方などの説明もされていて、単に辞書だけでなく読み物としてもおもしろいと思う。
そう言った意味では今までなかった"実践的"なイディオム辞典ではないだ!ろうか。
単にイディオムの意味だけが分かれば良い、というだけ人には不適切かもしれないが、イディオムを身につけたい、という人には特にオススメしたい。