2枚組に全31曲、ほぼ2時間半の音楽を収録した『Land』は、スタジオ録音アルバムからの曲で始まり、特に1978年『Easter』に重きをおいている。「Dancing Barefoot」「People Have the Power」 「Gloria」「Rock 'n' Roll Nigger」「Frederick」そしてもちろん「Because the Night」など、名曲はすべて網羅している。このCD用に特別カットされた2曲のうちのひとつとして、プリンスの「When Doves Cry」の新録音ヴァージョンも収録されている。
ディスク2は、ギグやインターネットからセレクトされた曲が目当てのファンが喜ぶ内容だ。まず最初は1974年の「Piss Factory」を含む初期のデモ、そして『Horses』以前に録音された2曲「Redondo Beach」「Distance Fingers」。続いて「Dead City」」「Spell」「Boy Cried Wolf」など2001年の全米・ヨーロッパツアーでとられたものを中心とした未発表ライヴ録音、それからスタジオのアウトテークという内容だ。スミスは自らリマスターを手伝い、ブックレット用にファンの写真などを用意したという。
パティ・スミスの人気が『Land』で再燃するとは思えない。しかし、ひとつひとつの曲に満ち満ちた惜しみない汗、飢え、インテグリティは、決して金儲けに走らなかったひとりのアーティストの驚くべき姿をファンたちに伝える。(Kim Hughes, Amazon.co.uk)