A perfect translation well worth careful reading
★★★★★
漱石の「坊っちゃん」の英訳です。冒頭の「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」は、Ever since I was a child, my inherent recklessness has brought me nothing but trouble. と訳されています。この書き出しを読んだだけで、本書が非凡な訳であることがわかり、続けて読む気になります。昔、A great loser have I been ever since a child, having a rash, daring spirit, a spirit I inherited from my ancestors と訳した本を見たことがありますが、いささか clumsy です。ターニーの新訳は、的確な訳語が選択されているだけでなく、原文の歯切れのよさも伝わってきます。熟読玩味に値する名訳です。