レヴューと言うより、雑感です
★★★★★
すべてを理解する必要はない、星さんに、そう言われた気がした。
世の中では、いろんな出来事が起きている。そのそれぞれには、必ず、
原因と結果――因果関係がある、という定説。因果関係を、合理的に、客
観的に、万人に理解できるよう、究明していく。でも、全てを、無理やりに
でも、究明する必要なない、星さんにそう言われた気がした。
因果関係。風が吹けば、桶屋が儲かる。袖振り合うも、他生の縁。火の
ないところに、煙は立たず。
風が吹いても、桶屋が儲かるとは限らず、袖振り合ったは、ただの偶然、
火のないとこでも、たまには、煙も出るだろう。
わからないことがあっても、いいのだ。わからない、と言うのは、マイナス
の要素だけれど、しかし、わからないからこそ、<幽霊>――見えないけれど、
存在している得体の知れない、何か――の存在を想定する楽しみ(プラスの
要素)が生まれ、人生を豊かにしていく力になるから。
素敵な戯曲
★★★★☆
星新一の書いた数少ない戯曲の一つ。
人類誕生から現在まで、幽霊になった生命の数と、現在生きている生命の数と、どちらが多いンだろう?
… 確かに部屋が賑やかになっていくような気がする。
(霊感はありませんが。。。)
全体的に秀逸。流れるように物語が展開していく。
ただ、星新一特有のペシミスティックな世界感がにじみ出ていて、せっかくのコメディに暗い印象を付与する原因になってしまっている。
この点が少し残念…、かな。
本好きになったきっかけの本
★★★★☆
この本は20年近く前、中学一年生の時に読みました。私が本好きになるきっかけとなった本です。星新一といえばショートショートですが、これは長編です。生きている人間と死んだ人間が同じ空間に同居している不思議でたんたんとしたお話です。今読んでも古さはあまり感じず、昔のじんわりとした感動がよみがえってきます。