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ベッグ・フォー・マーシー

価格: ¥2,548
カテゴリ: CD
ブランド: ユニバーサル インターナショナル
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   50セントの怖いもの知らずのハッタリ、ロイド・バンクスの舌がもつれそうなリリックさばき、ヤング・バックの南部人らしいモッサリとした味。この3つを拮抗(きっこう)させることで、G ユニットはラップ界の頂点に立つ。デビュー・アルバムとなる『Beg for Mercy』は、彼らがいかにして現在のポジションに居座り続けるつもりなのかをつぶさに示している。

   G ユニットの成功の秘けつは? 手を抜かないこと、ギャングどものご機嫌を取っておくことだ。ノリのいい多彩なビートは、ハイ-テック、ドクター・ドレーから7th EMP(バッハを巧妙にサンプリングしている)までが総出で手がけたもので、G ユニットが取り上げるテーマの幅の狭さを忘れさせてくれる。そう、G ユニットの関心事といえば暴力と銃。しかし、殺しの脅迫がこれほど魅力的に聞こえたことはない。たとえば「My Buddy」では、彼らが相棒をなぜ楽しいピクニックに連れ出すのか、どんな風に(弾丸で)可愛がってやるのか、あいまいな言葉を一切使わずに説明している。おまけに銃声のSE入りだ。

   これとバランスを取るかのように、撃ち合いしか頭にない連中だという批判に対して反論が試みられている。「Smile」ではバンクスが可愛い女の子にセレナードを捧げ、情感あふれる「Wanna Get to Know You」ではR&Bシンガーのジョーが顔を見せる。ギャングにも愛が必要というわけだ。2003年のベスト・アルバムの座をねらえる1枚である。(Dalton Higgins, Amazon.com)