さらにスヌープとスキのないコラボレーションを展開する「Hoes In My Room」では、コンサートの後で俺の楽屋にやかましいグルーピーどもを入れたやつはだれだ、とがなりたてている。オライリーだ、あいつしかいねえ、というわけだ。
このサード・アルバムを『Word of Mouf』以上に柔軟で多彩な内容に仕上げたリュダクリスの手腕はさすがである。催眠的なファースト・シングル「Stand Up」からオシャレな「Diamond In The Back」(この際、使い古されたウィリアム・ディヴォーンのサンプルを乱用している点は大目に見よう)まで、本作の大部分は実に楽しく聴けるのだ――歌詞の方はともかくとして。
アルバム後半でもリュダクリスは放蕩(ほうとう)の限りを尽くし、汚い言葉を駆使したお下劣なライムを次々と投げつけてくる。「Teamwork」は三角関係というテーマに彼なりに取り組んだトラック。「Hip Hop Quotables」では、リュダクリスはフックなしで64小節にわたって言葉を吐き続け、自分がお似合いの女性を見つけられない理由を説明している――“…お前ら女がみんなタンポンよりも偉いつもりでいるからさ(…a lot of y’all are more stuck up than tampons)”と。
さて、他のリュダクリスのアルバム同様、本作のリリースにあたって音楽ファンが肝に命じておくべきことがある。それは「娼婦とハイネッケンのビール(アルバム・タイトルの後半部分にご注目)でメロメロになっているのでない限り、このアルバムをゲットすべし」だ。ついでにジェルー・ザ・ダマジャの新作『Divine Design』もあるとバランスが取れていいかもしれない。(Dalton Higgins, Amazon.com)