全8曲のうち、ほとんどはデ・ルシア、コーラス、パーカッション、そしてパルマと呼ばれるスパイス代わりの手拍子だけをフィーチャー。デ・ルシアと仲間たちは、フラメンコをムーア風、ユダヤ風、ロマ風と、さまざまなスタイルで展開していく。ブレリア「Patio Custodio」に始まり、熱烈なティエントス「El Tesorillo」へ、そして陰影豊かなミッド・テンポのブレリア・ポル・ソレア「Antonia」へ、という具合だ。「El Dengue」では、Juan D’ Anyelicaとトマティートという2人のギタリストがデ・ルシアに加勢し、「Que Vengo el Alba」では、今は亡きカマロン・デ・ラ・イスラの残したヴォーカル・トラックが使われている。
最後を飾る歌「Casa Bernardo」には、ベーシストのアライン・ペレス、ジャズ・トランペッターのジェリー・ゴンザレスの他、ラテン・ポップ・スターのアレハンドロ・サンスがトレスというギターに似た楽器で参加。独創的かつ古式ゆかしいフラメンコという芸術形式の未来形を示す曲と言えそうだ。(Eugene Holley, Jr., Amazon.com)