長男には順手教育、次男には逆手（？）教育（自分のやりたかった夢のようなものを仕込む）する養育方法を思い出しました。

　私の中学時代は「怒るより誉めよう」「勉縮のすすめ」といった厳格管理教育を否定するような本が出だしいた頃なので大変楽をさせていただきました。

この本が出版されたのは僕の世代が思春期の頃で、読書家の同級生には
この本に影響されて生き方を決めたような人が何人かいた。著者の畑正憲と文通しているらしい人もいた。
１５年戦争に翻弄された両親を持ち、自分は戦後民主主義の中で、学生の本分である勉強で優れ、
スポーツにも打ち込み、戦後、解禁された恋愛の正しいパイオニアでもあった優等生の自叙伝である。
僕はといえば、この本に書かれたことが理想的な少年時代、青春時代の送りかたであることを認めつつも、
勉強はてんでだめで進学には失敗し、アルバイト生活をしながら何とか就職先を見つけ
女の子にはいまだ縁がないという人生を送っている。
この本の内容を美しいと思いながらも、そんな青春は送れなかった男が自分である。
だからこそ、陳腐なことだけど、言っておきたい。
この本に書かれているような青春時代を送れなくても、けっして間違ってはいないと。
このような青春時代を持たなくても、社会に貢献し、人に尊敬されるような人生を持つことは可能です。
もちろん、努力は必要です。私は苦手な数学や英語を独学で学び、幸いにも取得した資格で
今の勤め先に就職することができた。スポーツ選手にはなれなかったけれど、ジョギングや水泳で
弱かった体を改善することができた。恋愛が努力してもできないのは、たぶんそれが人生にとって
必要不可欠なことではないからでしょう。それは人それぞれです。
図書館や古本で読む若い人がいるかもしれませんから言っておきます。
この本に描かれたような青春時代が送れなくても、ちっとも心配は要らないよ、と。

まさしく人生を変えた一冊です。
風邪を引いたら猛勉強をするとか、いろいろなことを教えられた一冊です。
なまなましさもありますが、それだけにインパクトもあります。
おすすめですが、特に学生さんにおすすめしたい一冊です。

結構生々しいです。
ですがそれだけ素直にかかれているといえます。
読んだのは思春期の頃20年以上も前ですがとても強く記憶に残った本です。
ぜひご一読を。

　私は今30代半ばですが、初めて本書を読んだのが中2のとき。おもしろいと思ったものの、そのときは一度読んだだけでした。しかし、自宅から遠い高校へ通うようになったとき、つねに本書を持ち歩き、まさにボロボロになるまで繰り返し読みました。早朝の満員電車に乗って都心の高校へ通う心細い毎日を送る中、ムツゴロウさんの独立自尊の気概と反骨精神、それに甘い恋愛、合理的な受験勉強等、自分もムツゴロウさんのように強くありたい、そして優しい恋人が欲しいと思ったものでした。本書が私にとって心の支えでした。
　文章の上手さにも惹かれました。ムツゴロウさんの文章はユーモラスでありながら、時には論理的で硬質です。本書によって反骨精神や独学主義、文章作法を学んだと言っても過言ではありません。
　今でも私の本棚にボロボロになって黄ばんだ本書が収まっています。ときどき引っ張り出してぱらぱらと飛ばし読みしては、心細かった青春の日々を思い出す今日この頃です。
　他者に寄りかからず、自立的に生きたい人には、本書はおすすめです。多量のエネルギーをもらうことができます。