岩波少年文庫の一冊ですが、十分大人が読んでも楽しめます。
「宇治拾遺物語」197話から47話が収録されています。
「こぶとり」や「腰折れ雀」は、子どもの頃絵本で親しんだむかし話のルーツになるのでしょうか。

絵巻物としても有名な「伴大納言の話」「信貴山ものがたり」など、昔の人の思いがけない暮らしぶりや、心の動きも面白いです。

簡潔で美しい現代語訳も堪能できます。

お話しも１話数ページで、現代語訳で読みやすくなっているので、さくさく読めてしまいます。同じ岩波でも岩波文庫に見習って欲しいものだ。

授業以外で自主的に古文を読んで読解力アップを目指そうと手に取ったら、中身は現代語訳でした。内容が古語のままかどうか示してあれば嬉しかったです。しかし、文字が大きいので、家族みんなで回したら、夕食の時なんかに会話が弾んで楽しかったです。ほかにも、小さいころ聞いたお話がこんな古くから語り継がれてるのだったなんて、という発見もあって驚きました。内容は言い伝えから奇談まで。文庫本なので全ての話は載っていませんが、昔の人の生活と仏教の関係深さを味わえます。わかりやすい訳にふれることで古文に親しみがわき、ハードルが低くなったので入門には最適な一冊でしょう。