Amber
価格: ¥1,330
デビュー作『Incunabula』で開拓した濃密な数学的音楽に、さらにひねりを加えたのがオウテカの2作目『Amber』だ。前作ではパーカッションが主役だったが、今作は高度に進化したメロディーとテクスチャーにあふれている。エレクトロ魂は健在で、抑え目のビートが複雑なリズムを刻み、妙にファンキーだ。それもただバックグラウンドになるのではなく、ブ厚いストリングスや奔放なシンセ・フレーズ、大量のホワイトノイズと絶妙に調和している。しかも知的でありながら、エモーショナルな音楽に仕上がっている。「Glitch」「Peizo」といった濃密で奥の深い曲もあるが、ひねりの効いた明るい「Slip」や物悲しい「Nine」など感性に訴える曲が『Amber』の大半を占めている。この実にエモーショナルな「機械音楽」は後の『Tri Repetae++』『LP5』で大きく進化し、オウテカはエレクトロ・ミュージックに欠かせないアーティストになったのである。(Matthew Corwine, Amazon.com)