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200 Km/Hr in the Wrong Lane

価格: ¥1,448
カテゴリ: CD
ブランド: Universal Int'l
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   ロシア出身のレズビアン風の美少女カップル、タトゥー。まだ十代のふたりが歌うことになったのはたまたまだろうか? どうもポップミュージックとしての将来性を買ってというよりマーケティング戦略の成果のように思える。そんなふたりの英語デビューにクエスチョン・マークがつくのも無理もない。タトゥーの才能がいつ発揮され、どこまで続くかは未知数だし、仕掛け人たちやプロデューサーのトレヴァー・ホーンが本作にどのくらいかかわっているかは知るよしもないが、おそらくターゲット層となる人々はそんなことに関心はないだろう。

   エレクトロポップ界の伊達男ペット・ショップ・ボーイズやフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドを手がけたホーンによるバックサウンドは明快でわかりやすく、疾走するシンセサイザーをクッションに、レーナ・カティーナとユーリャ・ヴォルコヴァの軽快なボーカルを乗せている。ウィンクで人を誘うような歌詞は、女の子が女の子を好きになることをはっきりと歌っているが、ふたりは元気一杯というよりはにかんでいる。はつらつとしたコーラスが飛び交う「All the Things She Said」は性の平等を主張しているようだ。また、通常ヴァージョンとロングヴァージョンが収録された「Show Me Love」はクラブ受けを狙った重厚なダンスフロア・ナンバーである。

   けれども、本作で最高のナンバーと言えば、ザ・スミスの「How Soon Is Now」の思いがけない皮肉なカヴァーだ。孤独と絶望を歌ったナンバーを陽気なデュエットに完全に作り変えたこのカヴァーは、どう考えても本作で最も画期的なナンバーと言えるかもしれない。(Kim Hughes, Amazon.com)