Goodbye Alice in Wonderland
価格: ¥850
confessional告白的という形容詞は、フォークといえば、フォーク・ロックからフォーク・ポップまであらゆるフォークにしょっちゅう使われる。このフォーク・ポップというのが、Jewelのジャンルだ。フォーク全体を向うにまわしても、彼女の音楽はさらに裸で告白的である。(あまりに裸だという批判さえある。)ナッシュビルのプロ達のグループとともに彼女は1995年のPieces of Youの方向で新たな自分の内側への旅を繰り広げようと試みた。しかし結果に満足できず、このテキサスにベースをおくアーティストはロブ・カヴァロ(Green Day)ともう一度とり直しをした。このおかげで彼女の第6作となったアルバムには、期待通りのロックの色彩が加わったけれど、かといって彼女本来のものが失われたわけではない。いつもの彼女らしくないといえないこともない出だしの曲0304はダンス・ミュージックを思わせるといえなくもない。でも彼女はやっぱりポップ・スター(Fragile Heart)であり、センシティヴ・フォーキー(Fragile Heart)であり、断固としたカントリー・ガール(Stephenville, TX)なのだ。彼女のジョリ・ミッチェル風のソプラノは以前にも増して高く舞い上がり、ますますディランの冷笑的追っかけとなっている。何が変わったかというと、Jewelが成熟してきているということだ。彼女も30代に入り、初期の頃の彼女にはみられなかった広々としたパースペクティヴ(タイトルバックで彼女は「大人になるということは、なにも夢を見るのをやめることではない」と言っている。)とユーモアのセンスとが加わったという感じだ。例えば彼女が18の時に書いて、何度も刷新されたSatelliteで、彼女は、法王もロックンロールもValium(精神安定剤)もMiss Cleo(霊能者)も彼女の壊れたハートをなおすことはできないと言っているけれど、Jewelは、何年ものアップス・アンド・ダウンズを経た今、彼女はもう壊れていない、ただもっと自分らしくなっただけ、と言っている。