チェイシング・リバティ 特別版 [DVD]
価格: ¥3,129
欠点だらけの筋書きにそって、頭がからっぽな女の子を演じながらも、マンディ・ムーアは何とかしてこの映画を健全な魅力にあふれるものにしようとしている。もっとも、文字どおりの「健全さ」を求めようとしたらおあいにくさま、である。アメリカ大統領の娘が護衛のシークレット・サービスから逃げ、二期目の任期にある大統領(マーク・ハーモンが演じているが、どうしようもないミスキャストである)に反抗し、プラハ、ベニス、ベルリンを陽気に飛び回り、テロの危険も面倒くさい変わった出来事くらいにしか感じられない世界を巡っているあいだに、初めて出会う人々を信じてしまう話なのだから。大統領の娘で本当におばかさんなアナ・フォスター(マンディ・ムーア)が、ばかげた空想の世界(よくいえば『ローマの休日』の世界であり、お子様に人気のロックスター、マンディを利用した世界でもある)で危険に気づかずにいる話ともいえる。マンディが無邪気に素っ裸で泳ぐシーンが代役で処理されているのも事実だし、マンディを危険から守るべく任命されたシークレット・サービス(期待の新人、マシュー・グッド)が実に魅力的で、彼と恋に落ちるときのマンディもまた実に魅力的なのも事実だが、彼女があえて良い子のイメージを脱ぎ捨てようとしているのを非難しないでほしい。もう一組、ケンカばかりしているエージェント(アナベラ・シオラ、ジェレミー・ピヴェン)に芽生えかけているロマンスの描き方はおざなりとしかいえない。だが、かわいらしい恋人たちといっしょに、絵のように美しいヨーロッパを優しい気持ちで旅したいなら、『チェイシング・リバティ』を観れば、短くても楽しい休暇旅行に出た気分になれる。(Jeff Shannon, Amazon.com)