友人を爆弾で殺されて（ついでに現金25万ドルもどこかに消えたことが判明する）、ニューヨークでいちばんクールな私立探偵ジョン・シャフトは、賭博をめぐってクイーンズで起きている黒人ギャングと白人マフィアの抗争に自分が巻き込まれてしまったと気づく。
   第1作『黒いジャガー』同様、監督はゴードン・パークス（違法なカジノの胴元役で少しだけカメオ出演している）、脚本はアーネスト・タイディマンだが、本作には前作のようなテンポのよいストーリー展開はない。容疑者の調査中に出会ったばかりの女性から話を聞いているうちに、彼女とベッドで甘いひとときを過ごすことになる場面のラウンドツリーは最高である（ああ、なつかしの、けだるく狂おしいセックス革命の日々よ）。ラストは、墓地での銃撃戦になり、車とボートとヘリコプターによる追跡劇がクイーンズで繰り広げられ、ハーレム川を上っていき……と、あきれるほどえんえんと続く。シャフトはマシンガンもものともせず、はずむように動き、足首をくじき、不自由な足で追っ手から逃げていたかと思うと、2シーン後にはアメフトのハーフバックの選手のように全力疾走している。モハメド・アリのトレーナーで今は亡きドルー・バンディーニ・ブラウンが冗談好きなギャングを演じているので探してみるといいだろう。（Marshall Fine, Amazon.com）