スーパーナチュラル ライヴ [DVD]
価格: ¥4,935
ヒットアルバム『スーパーナチュラル』の名前を冠したライヴ作品、『スーパーナチュラル ライヴ』とともに熟練のギタリスト、カルロス・サンタナが音楽界の最前線に戻ってきた。彼の素晴らしい音楽に触れようとする若いアーティストたちに囲まれ、サンタナが再びスターダムを駆け上る。こう書くと、過剰なやり方で音楽を発表しているかに思えるが、サンタナはそのようなミスはしない。フュージョンという言葉が生まれる前からフュージョンを演奏し、かつてはメキシコのストリートでプレイしていたアーティスト。彼は、あらゆるスタイルの音楽を吸収することで、積極的に自らの幅を広げ続けた。だから、簡単にギアのシフトをチェンジすることができるのだ。デイヴ・マシューズのバックで演奏したり、伝説のサックス奏者ウェイン・ショーターと競演したり、ローリン・ヒルをフィーチャーした楽曲でヒップホップに乗り込んだり、臨機応変に対応できる。
サンタナは、90年代後半のラテンポップ・ブームを当然のことながら逃さなかった。1968年、『サンタナ』をひっさげて音楽シーンに登場したときから、彼はラテンロックを奏でていたのだから。コンサートは、羽を頭に飾りしなやかに踊る女性ダンサーに彩られた熱狂的な「ヤレオ」で幕を開ける。ラテン・ジャズ・バンドの帝王、ティト・プテンテの名作をカバーした「オイ・コモ・ヴァ(僕のリズムを聞いとくれ)」も登場。アルバム『スーパーナチュラル』に参加したスターたちを指揮し、すべてをリードするのは、やはりサンタナ。ロブ・トーマスとは、大ヒットとなった「スムース」を「ダーム・トュ・アモール」とのメドレーで聴かせる。エヴァーラストとの競演も素晴らしい。しかし、同レーベルのサラ・マクラクランとのデュエットで歌う「エンジェル」で、コンサートの盛り上がりが停滞してしまうのは残念だ。ピアノの演奏と心を打つ歌詞でつづるバラードを奏でるには、サンタナの持ち味であるギターの音色は少し強すぎるようだ。
カメラワークやサウンド・ミックスも秀逸で、作品として素晴らしい仕上がりを見せている。サンタナのギターネックに据え付けられたリモートカメラがとらえた映像は圧巻。数曲ではあるが、彼のおそろしく複雑な指使いをクローズアップして見せてくれる。(Sam Sutherland, Amazon.com)