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日本を創った12人 (PHP文庫)

価格: ¥782
カテゴリ: 文庫
ブランド: PHP研究所
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堺屋氏の視点の鋭さにはいつも感心させられる ★★★★★
堺屋太一氏が日本の独自文化や思想に大きな影響を与えた12人を取り上げて、その人物の足跡や業績と、その影響がどのようにその後の日本に残ったかを示した作品。12人の中には織田信長・徳川家康といったメジャーな名前もあるが、源頼朝・石田三成・石田梅岩といったマイナーな名前や光源氏と行った架空の人物まで入っている。

これらのマイナーな人物がどのように影響を与えたのかと不思議に思ったが、いざ読んでみると「なるほど」と膝を打ちたくなるようなことが書かれており、石田三成に関しては著者の思い入れが強い感じがしてやや疑問を感じたものの、それ以外の人物についてはその後の日本文化に大きな影響を与えていることがよくわかり、堺屋氏の視点の鋭さに感心した。

個人的に一番感心したのは聖徳太子である。日本では宗教戦争というものが殆どなかったが、それが神道と仏教を並存させる習合思想を太子が発案したことによるというのは知らなかったし、それがその後日本が海外の文化を吸収する際の「ええとこどり」というスタンスに繋がっているという考え方にも感心させられた。また、細部にこだわる日本文化の独自性の源流が石田梅岩の石門心学にあるという考え方も面白かった。

後書きで著者が述べている、日本においては「過去」が大きな存在であり、今日の日本の成功や失敗が日本の「過去」と無縁ではないことがよく理解できたし、またグローバルな経済に転換しつつある現代社会において、我々が先人達が生み残した何を守り、何を切り捨てるか、その選択が日本人の未来を決定するという点についても深く共感した。

人の性質や意識、企業文化・社会構造など包括的に息衝く ★★★★★
 外国人に囲まれる生活では日本人ということについて考えさせられる機会が増えます。そしてそういう外圧による自身の日本人考は、次第に日本人の美徳やアイデンティティそのものへの探求へと発展。本書もその一助になります。12人は:聖徳太子、光源氏、源頼朝、織田信長、石田三成、徳川家康、石田梅岩、大久保利通、渋沢栄一、マッカーサー、池田勇人、松下幸之助。思考方式や生活レベルでの自身の性格への溶け込みということでは、聖徳太子の習合思想(諸宗教を同時受容するという文化については、社会事象としては同意、個人的には線引き)、石田梅岩(ばいがん)の「石門(せきもん)心学」による倹約と勤勉(さらには細部主義、ちゃんとイズム)の影響を実感します。これらの性質から来る異なる意見の調整、責任感を伴った業務履行は、通常日本人に学ぶ、という姿勢を途上国の人々に感化しているようです。その影響から自己を分離し見極めるという途上にあるのが私にとってのマッカーサー。戦後出発政策の立案中枢を指揮して日本伝統の精神性を否定、堺屋氏が常用するパラメータ“倫理観と美意識”における「効率・平等・安全」を正義に掲げ、物質的豊かさ・生活の安定の礼賛に向かう制度・社会文化づくりを敷いた影響力は、今日に至って測り知れません。権力構造・企業文化・経済発展の観点から、石田三成にその原像をみる中堅官僚や中堅社員の熱意とネットワークで動く「日本型プロジェクト」、大久保利通にみる官僚主導の源流、渋沢栄一による資本の合本主義と財界づくり、池田勇人の所得倍増計画と経済大国ビジョン、松下幸之助による幸せを売る商売・立身出世志向促進・終身雇用・会社人間の職縁社会・PHP(Peace and Happiness through Prosperity)哲学啓蒙などは、戦後日本の包括的理解について言い得ています。織田・徳川については家内殺人で閉口。また本来は皇室についての言及も必要なのでしょう。日本精神否定で武士道を広めた新渡戸稲造が今日息衝いておらずエントリーされていないことも寂しいものです。
「日本」の系譜。 ★★★★★
今の日本人が、ひいては今の日本がどのように形成されてきたのかを主に政治と経済の側面から紐解いてくれます。

日本人の思想や社会に大きな影響を与えた偉人たちが創った歴史の流れを理解することで

今の日本人、今の日本社会、今の自分を再認識できました。

歴史の大切さを感じれた一冊でした。
目からうろこがボロボロ落ちます ★★★★★
特に上巻がお勧め。
読み進むにつれ、「へえーそうだったの!!」「確かにそうかもしれない」という自分の中の突っ込みが大変に楽しめました。
大人になると、いろいろ決めつけて考えていることもありますが、これを読むとずいぶんと賢くなった気がします。ためになるんだけど、人に説明しようとすると、大変に難しい。「まあ、読んでくれ」と人に薦めますが、なかなか読んでもらえないのがちょっと悲しい。
うなってしまう読み応え ★★★★★
歴史上に存在した人物、架空の人物などなど、筆者が現代日本に
影響を与えていると考える人物を、独自の視点で解説していきます。

その解説の視点が、会社組織になぞらえている点が特に秀逸ですが、
さまざまな現代日本の根底に流れる考え方や行動様式など、
読むにつれて、改めてわれわれが長い歴史の上にたっていることを
再認識させられます。

それは誇れる部分もあり、反省すべき点もあります。

これからの日本の行く末を考える上で、一度は読んでおきたい
本だと思います。