壮大な発想と知的センスを感じる秀作SF
★★★★★
漫画を描くしか能のない中学生の竜太郎、冷酷非道な極悪犯罪者エルケーニッヒ・ダンガー、そして、ジョンという名の幼児が、最古の宇宙生命体アルゴールにより、人間の全潜在力を解放され超人になる。
アルゴールは、3人に、その力を好きに使ってよいことを保証するが、これが即ち、人類の運命を決めることとなる。
我々は竜太郎少年と共に、人類のエゴや残忍さといった愚かさ、醜さを見ることになる。この作品を読み終わった時、人類に希望を見出すか、それとも絶望するかは読者次第といったところだ。
尚、この頃の桑田次郎の絵は、後の完成されたシャープさを持つ独特の画風のほんの少し手前のものと思う。しかし、登場人物に味があり、特にエルケーニッヒ・ダンガーは悪の魅力炸裂の印象深いキャラと思う。また、竜太郎がエリートという超人にでもならない限り、ガールフレンドにできなかったろうと思われるジュディが可愛かった。そのジュディの豹変振りはやや残念に思ったのだが、いかがであろうか?