１９７０年「ぼくらマガジン」に連載され、当時は難解で暗い作風の為、受け入れられなかったようだが、単行本化されてヒットした作品である。（初コミックス化はサンコミックス）
「８マン」で一世を風靡した、平井和正/桑田次郎ゴールデンコンビの作品だけあってＳＦ作品としてのハードさ、完成度の高さは今でも一級品です。

謎のエイリアンからの侵略を阻止するのに（人間に憑依し、不死身と怪力の怪物となる。デスと呼ばれている。）、戦う戦士を選別する為に世界各国から集められた不死身に近い肉体を持つ者達の過酷なテストが行なわれる。
第一テストは猛獣、毒蛇、毒サソリ、アニマルトラップまで仕掛けられた人口のジャングルでの一ヶ月間の生存試験だった。

その中で元レーサー、田村俊夫は二人の仲間を得ることになる。
元中共工作員で中国拳法の達人、林石隆。
元アラブゲリラ女兵士、リュシール・ブルーエ。
第二テストは自動照準機関銃を装備した精巧な殺人ロボットと十数人もの武装兵士及び戦車隊との死闘だった。

全てのテストを突破したものの俊夫は右目と左腕を失っていた。
だが、暗視能力を持つ電子義眼と怪力無比の義手を移植され、超人となってデスを倒す戦士、デスハンターとして甦る。

殺し屋としての葛藤、デスの殺戮行為の凄まじさ、人体改造など見所は盛りだくさん。

作品全体に世紀末的雰囲気が漂っていて、読後には、この世の終わりがもうすぐ来るのではないかという気分にさせられます。

「デスハンター」は私の漫画歴に大きなターニングポイントとして刻まれました。それほど衝撃的な作品でした。

昭和のエイリアンものの傑作です。
それまで、宇宙人による地球侵略といえば、「宇宙戦争」に代表されるように空飛ぶ円盤で攻めてくるものが多かったですが、SF作家の平井和正氏は斬新な発想の宇宙人を考えました。人間にとりつき超人的パワーを発揮する宇宙人「デス」に対抗するために人類がとった策もまた大変なものだったりと、壮大なストーリーにぐいぐい惹きこまれること必至です。
そして、面白いだけで終わらない平井和正！後半では驚嘆の展開と共に、深いテーマを突きつけます。そして、あっけにとられるに違いないラスト。
復刻して、また新しい人に読んでいただけるのが嬉しい名作です。

原作の平井氏はあの有名な幻魔大戦の作者だけあって、内容が圧倒的に面白いです。とにかく内容に引き込まれます。桑田次郎氏の絵がまたシャープで内容ととてもマッチしてます。両氏の合作の中では一番のお気に入りです。