ふわっふわ乙女男子・椿と偶然再会した幼なじみ・平岩(バツイチ)そして、その娘の史生ちゃん。
三人の日常を描いた『椿びより』の続編。

今回は以前に比べて、なんだかとても平岩が可愛くなっている気がする。
照れた時の表情は、バツイチ子持ち(男)のクセに可愛すぎる。
史生ちゃんを好き過ぎる親バカな感じもイイ。

正直、乙女担当な椿くんより平岩の方にトキメいてしまいました。


前回より時は流れ、
椿くんの友人夫婦には子供が産まれ、
史生ちゃんは小学校に入学し、しっかり者の女の子に成長。
椿くんは平岩家により溶け込み、今じゃすっかり通い妻。
しかし、相変わらず平岩との仲は進展ナシ。

何が起きる訳でもなく、何が変わる訳でもなく、自然と時が流れて行く。

変わらない日常。

端から見たら、椿くんと平岩親子との関係は、おかしなもののように思えるのかもしれない。

しかし、 その日常はとても穏やかで、どこまでも優しい。


14編+オマケの短編で構成されている、この作品。

食卓の場面が数多く登場する。

おいしいご飯を一緒に食べる相手がいる。
それは、些細な事ではあるが、とても幸せなの事なのかもしれないと感じさせられた。

なんだか、この三人がとてもうらやましく思えた。


このシリーズはこれで完結の様子。

もう少し、この三人の続きを見ていたかったので、ちょっと残念です。

『椿びより』の続編です。
前作未読の方は、『椿びより』を読んでおくことをおすすめします。
『椿びより』を楽しめた方なら、この『椿だより』もきっと大好きだと思います。

あとがきの“変化する事も 変わらないでいる事も どちらもすてきな事だと思います”という言葉がとても印象的。

前作からわかりやすく変わったのは、史生ちゃんが小学生になって椿の髪が短くなったこと。
基本的には仲良く暮らす3人。
そんな3人のささいな変化がすごく面白いんですね。

先を急がず、派手な事件も起こらない
だけど読み終わったあとには大きな幸せを感じます。