ミシシッピーを拠点に活動するカルテット、スリー・ドアーズ・ダウンには、他のハードロック・バンドとは違う特徴がある。リードヴォーカルのブラッド・アーノルドがドラムも兼ねていることだ。このバンドはパール・ジャムやグー・グー・ドールらのサウンドのショッピングに行き、気に入ったものを見つけると店で買い求め、それをごった煮にする。そのデビューアルバム『The Better Life』のサウンドは全体的に良いし自信にあふれているが、歌自体は一様に平凡で平凡で陳腐だ。例えばLoserのリフはアリス・イン・チェインズの歌集から持ってきたものに、はるかに身のすくむような歌詞(「ヤク中には慰み物が必要だ。ほろ酔い気分でもっとハイになる」)を付け加えただけだ。実際歌詞のほとんどは使い古されたロックのテーマである怒りと錯乱、それに欲求不満など、耳の肥えたリスナーから簡単に引き出せる感情ばかりに集中している。--Jason Josephes