さらに、羅川さんの描く、少女マンガの世界ではちょっと骨太で、生きた人間を感じさせるような重量感のある絵が、舞台となっているニューヨークという舞台としっかりとマッチして、この作品をより深いものにしていたように思います。
個人的には、クールでファニーなゲイのJB、ケインとメルの養女となったエリカ、そしてケインの両親、ジョージとエイダが大好きでした。特にエイダが、自分の中の偏見を認め、それを取り除き、息子であるケインとその恋人メルを受け入れようとする姿に、心を動かされました。
こう書いている私の中にも、偏見があるかもしれない。けれども、少なくともこの作品を読んで、ゲイだとか何だとかという枠組みを取り外して物事を見るようになりたいと強く感じました。
マンガという枠を越えた「ゲイシーンの名作」だと思います。