国境なき読書
★★★★★
海外文学書評のような、都市論のような、小説家論のような。
海外文学を軸にして、いろんなテーマをかき集めたエッセイ集。
この本は今から30年近く前に書かれたものだが、現在文学集として刊行されている作品の名前が随所に出てきたりするので、おもしろい。
21世紀になって、海外文学もボーダーレス化が進んでいるように思う。
英米、仏露以外の文学だけでは物足りない。
それこそ池澤氏がプッシュしている南米文学だったり、東欧文学だったり、イスラム圏の作者だったり。
いろんな世界がお互いににじみ出している現代は、彼が海外文学を読み漁っていたころより、ずっと出会える機会に恵まれているのだろうと思う。
国境を気にせず、本を読もう。