静かな鼓動
★★★★★
淡々と描かれているなかで、ふたりを繋ぎとめるものは何だろう。そう考えさせられる内容でした。ひとりだからこそ、ふたりは夫婦として存在する、そんなはかなくて切ない物語だと思いました。
漫画じゃない部分とか素敵
★★★★☆
「一人になると二人を感じる」
「よかった まだ わたしたちは他人だ」
だから,夫婦っていいなぁとはならんと思うけど,切ない話。
新婚さんの話ではないのね。漫画じゃない部分(エッセイ部分?)とか素敵。
空気感
★★★★★
ないとさんの作品はエロエロなイメージで苦手だったのですが、
大好きな月桂冠のCMの元ネタ?と聞いて購入。
空気感がすごく好きです。
結婚すればさらに台詞とかが心に染みるのかなぁ・・?
初めて結婚願望がでました。
映画でも漫画でも泣いた事のない私ですが、おばあちゃんに抱かれて天国にいく犬の場面で涙がでました。(自分弱ってたのかな)
西荻の2人
★★★★☆
結婚して夫婦になる、という事に対する受けとめ方、感じ方は人それぞれなんだろ
うけど、こういうのもあるんだなぁ、と思った1冊。
一人になると二人を感じる
よかった まだ わたしたちは他人だ…
作中より
恋愛の延長線上にある結婚生活もあれば、個人を尊重するそれもあると言うことだ
ろうか。いや、ちょっと違うか。この2人はお互いに依存しないでいながら、頼り合
っているのか。微妙な関係に見えるが、それは第3者の読者(この場合私)から見る
からなのであって、当人達にとっては自然に、息をするように当然のことなのかもし
れない。
夫婦2人でいることの自然さ/不自然さ、当然/非当然、安心/不安、−そんなも
の達を描き出している作品。2人は不自然さ、非当然、不安ってのをマイナス要因じ
ゃなくて、あって当たり前のもので受け止めている。ポジティブシンキングなんかじ
ゃなくて、自然に受け止めている。
言えるのは。
彼しか許してくれないだろうということ。
愛情は日常。
わたしが誰よりもわたしを選んで生きていることを彼にだけ許された気がして、そ
の時以来もう何年もわたしは彼と一緒にいる。この先も彼しか許してくれないだろう
と思う。
このうしろめたさ。
作中、文章より
愛情が日常になるのならばそれは他では得がたい幸福だろう。「許してくれ」る人
と一緒ならばなおのことだ。それなのに後ろめたい気分になるのは、それはやはり伴
侶を一個人、人間、他人として尊重しているからなのだろう。
許しを求めている人は世の中にたくさんいると思うけれども、許してもらいたい事
(罪なんかじゃなくても)の種類によって救いは日常の中にある、という事を示唆
している。それに伴う後ろめたさ? 処理は、まぁ個人個人で。
現実の残酷さをストレートに描いた作品
★★★★★
西荻窪に住む若い夫婦の話しで、
綺麗な写真や小説のような語り口やメモ書きなんかを
挟みながらゆっくりとリアルに物語が進んでゆく。
読み終わったあと僕は、とても感慨深い気持ちになった。
僕が人生というのを考えた時に、
結婚とゆうのを外して考えることが出来ないのだ。
ただ寄り添っていたい。と願う瞬間があるのも事実だけど。
でも、現実は残酷で、何かを得るということは、
何かを失うということになる。
たとえば、自分の本棚を見たときになる気持ちを
ずっと持ち続けていられないのかな?
たとえ目に見える街の風景が変わらなくても、
自分は変わっていってしまうのかな?
そんな事を考えさせられる本でした。
ほんと素敵な本。