シャナイア・トゥエインの極上の遊び心あふれたミュージック・ビデオ集。これを見たら、彼女の音楽につきまとうばかげた矛盾（“彼女の音楽はカントリー？それともポップス？”）に目をつぶらざるをえないだろう。
 『プラティナム・コレクション』に収録されているビデオは、想像力としばしば驚きが凝縮されたビジュアルで、伝統とジャンルの境界線をいとも軽々と超えていく。たとえば「ウーマン・イン・ミー」に出てくるエジプトのピラミッド。または、「フィール・ライク・ア・ウーマン」の、ロバート・パーマーのビデオ「Addicted to Love」のおかしなパロディとして、能面セクシー男性バンドを従える魅力的なトゥエイン。トゥエインの最も感動的な曲のひとつにすぐあげられる「スティル・ザ・ワン」は、ソフト・エロティックな短編映画としていまだに持ち出される。それほど傑作ではないビデオですら（「ユー・ウィン・マイ・ラヴ」のゴーカート・マニアなど）、何度も繰り返し観るのに耐えるクオリティだ。「ドント・ビー・ステューピッド」でのアイリッシュ・ステップ・ダンスのような予想もできない展開は、彼女自身が貫くオリジナルな美意識が反映されている。そして、ロック・ディス・カントリー」でのホット・パンツももちろん健在。波風を立てる女、シャナイアよ、永遠なれ。（Tom Keogh, Amazon.com）