正直言って、ニガテだったんです。こういうメルヘンチックな絵柄。
紺野キタとか、 夢花 李とか....
キレイで透明感のある作品の、高評価に誘われて手に取り、
何度玉砕した事か。（あくまで私の好みの問題ですよ）

藤たまき....存在は知っていましたが、決して手に取る事はないと
思っていたのですが、ひょんな事から本書を入手。
読んでみたら、あまりの素晴らしさに、しばらく放心いたしました。

私、兄弟BLが大好きなんですが
なかなかコレ！という兄弟BLってお目にかかれないのです。
何の為の兄弟設定？と聞きたくなる、ヌルい葛藤
感じられない必然性、迫って来ない緊張感。

本書は兄弟BLでも無いのに、
私の求めていた兄弟BLの“萌”が丸ごと詰まっていました。

血も繋がってないのに、一緒に暮らせなくなる事を恐れ
ここまで葛藤する主人公の健気さよ.......

幾多の“なんちゃって兄弟BL”作品は、本書を読んで
出直して参れ！！！と言いたい。

絵柄も、キレイでフワフワしてるだけかと思いきや
男の子の身体は、しっかり筋肉ついてて
血肉を感じるイイ身体です。
見直しました.....って言うか、今まで避けてて
損してました。
藤たまき作品、集めまくりますよ。

三角関係ものだと「取る」「取られる」とか
恋の情熱？の話になったり、波乱万丈？になりがちだけど
そこは藤先生のキャラ、愛するものに対して優しいのです

現実的な話を書いていても独特の詩的な文とやわらかい絵
不思議な雰囲気に満ちているため
ファンタジーぽく感じます
それでいて、一人一人の心理描写が丁寧で
その分、痛々しいほどに優しいんですよねぇ

私は影郎より讃岐のがいい男に見えたけど
アタには影郎のようなタイプじゃないとダメなのかも！

今回も満足なのですが「遊覧船」「密告」のがより好き

ちょっと男らしさがあるキャラのが好きなので、アタが可愛すぎたかなぁ？っと
あと、表紙で勝手に南国ぽいイメージだったので
日本が舞台でびっくりしたり・・・・

人を好きになることの温かさや大切さ
自分を大事にすることの本当の意味
相手を思うことによって自分を変える勇気など
中々、示唆的です

普通のＢＬに飽きた方に手にとって貰いたい

とても愛おしいお話です。
主人公のアタは、大好きな家と同居人の影郎がいれば幸せ。なのに、誘われれば誰にでもついて行く性格で、それをメチャメチャ心配して怒りまくる影郎に、ついつい反発してしまう。
本当は淋しくて、愛してもらいたいのに、影郎がわかってあげられなくて、モヤッとします。
アタを心配しすぎて、アタの気持ちに気付かないトコロが、本当に不器用だなぁと。
藤たまき先生の描く男の子はみんな、不器用で不安定で優しいんです。
アタも影郎も讃岐くんも、みんな優しくて、じんわりと滲みます。

主人公のアタ(本名は男の子なのに愛ちゃんらしい)幼い頃から一緒に暮らしている影郎が好き。しかしなかなか思いを伝えられずその反動でなかば影郎の身代わりのように好きでもない男と寝てしまう。そんな日々の中アタは影郎の親友の讃岐と付き合う事になるのですが。絵柄が繊細で好きです。けっこう大胆なシーンもありますがもっと見たい位綺麗。BL界ではちょっとジャンル分けが難しいかもしれない藤たまきワールドです。ファンタジーぽい漫画も書いていてそっちもいいのですが私は断然BL風のこの「アタ」のような話の方が好き。顔の角度とか目線とかとても色っぽくてかっこいいので。続編もあったらいいなあと思いました。