大全集第一期最高の巻
★★★★★
大全集を1〜8巻までそろえてきましたが、この巻がここまでで一番面白いと思えました。
コンスタントに面白い作品がそろっているので、特にどのエピソードが優れているということが言えませんが、この巻が面白い理由を主観を交えて挙げてみます。
アシスタントさんに絵の上手い人が入ったため(?)なのか、各コマの絵の見栄えが良くなっています。そのおかげで藤子先生もネタの方に力を入れられて、秘密道具の効果そのものが面白い絵になり、話の落とし方も綺麗に決まっています。これがほぼ全編飽きさせることなく続きます。
また、スターウォーズの大ヒットに刺激を受けたためか、そのパロディはもちろん、読んでいてワクワクするスケールの大きな話も増えました。これらの作品が劇場アニメ原作の大長編へと繋がっていくことは言うまでもありません。
そして、出木杉君がレギュラーとして定着したことも大きいです。ジャイアン・スネ夫に嫌がらせされてその復讐に……というパターンがややキツくなってきたところで、のび太の新たな”悩みの種”が増えて話に幅ができました。
世代によって好みのドラえもんのエピソードの傾向は異なることは重々承知ですが、私にとってこの巻の作品群が「これぞ『ドラえもん』!」と一番馴染みました。お勧めの巻です。
未収録作品あります
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※印はてんコミ未収録作品
第8巻 XYZ線カメラ (第10巻に「X Y Z線カメラ」で収録済み)
おかしなおかしなかさ (第19巻に収録済み)
ひい木 (第18巻に収録済み)
宝くじ大当たり (第5巻に収録済み)
※空中フック
※わりこみビデオでテレビ出えん
※ミニ台風
ありがたみわかり機 (第19巻に収録済み)
オトコンナを飲めば? (第8巻に収録済み)
忘れ物おくりとどけ機 (第24巻に収録済み)
空き地のジョーズ (第30巻に収録済み)
※水は見ていた
展開の巧さ
★★★★★
~12、3巻頃までのドラえもんはストーリーがよく練られている。道具の奇抜さもさることながら、それがメインとはなっておらず、ストーリー展開だけで十分読ませる。ドラえもんの道具はその面白さを活かしながらも、話のきっかけ作りとして存在しているのだ。この8巻はとくに脂ののりきった頃で、佳作が多い。とくに「ゆっくり反射ぞうきん」や「ライター芝居」な~~どの、最初に伏線をはっておいてオチにつなげる展開は、ヒザを打つような素晴らしさ。途中、中だるみはあるが、最後の「くろうみそ」は数ある話の中でも出色の出来。名作である。子どもたちは、これを読んで人生のなんたるかを知るだろう。2ページにおよぶ説教を挟んで、教訓じみたテーマでありながら、漫画としての魅力を失っていないのは凄い。私は大人にな~~った今でも、大変な状況が続くと「くろうみそ食べたみたいだ」と呟いてみたりする。心に残るお話。~
お気に入りのストーリーは「第14話/進化退化放射線源」
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夢あるれるファンタジーアニメドラえもん。ふしぎな道具とゆかいなお話で日本中に笑顔を与え続けたこのアニメほど有名な漫画はないでしょう。未来の国からきた猫がたロボットというSF性、夢を与えてくれる道具の数々、情けないけどにくめないのび太君とそれぞれキャラクターが愛らしいお友達、その魅力を挙げるととてもきりがありません。そんなドラえもんの本作で私が一番お気に入りのストーリーは「第14話/進化退化放射線源」です。テレビアニメも映画も面白いですが、やっぱり表情豊かな原作が一番だと思います。