一巻がまるごと憲人が出演したTVドラマになっている。こうした手法に慣れない初心者の読者にとって、不思議で新鮮だったが、筋を追う上で少々混乱した。

宇治を舞台に、能楽一家と、それに弟子入りした日系米人の悲劇をサスペンス調で描く。二時間スペシャルドラマか。

準主役級の役に憲人が選ばれた理由が、前の巻ではいまひとつ分からなかったが、ドラマの冒頭（野外能）に、主役が素顔の憲人を見る場面があり、憲人の、少年のような少女のような、成人になりきる前の微妙な雰囲気が出ていて、それが理由なんだろうなあ、と納得。とても魅力的に描かれている。

著者は、人種差別、植民地支配、歴史的な遺恨、原爆といった困難な問題を、能を主題とした漫画の中にさらりと溶け込ませており、こうした社会性と、娯楽性、演劇としての能の主題とが両立しており、恐らく後世の人が読んでも、評価に耐える内容となっている。

漫画って奥が深いな、と感心。

憲人の出演するテレビドラマの収録が始まりました。

半分は出演作の劇中劇ならぬまるごと『石に願い』を編。

個人的には現実に近い早さで時間が流れていく速さで作品を待つシリーズで、人生を丁寧に生きたくなります。

待ってました。
待望の新刊。

今回は憲人が出演したドラマがそのまま漫画になってます。
成田先生はこの手の展開好きですね。
エイリアンやサイファを思い出すなぁ。

ただ現実のコメディとちょっとほろりとするシリアスの絶妙なバランスが好きな私としては違う短編を読んでいるみたいでした。
今回はちょっと残念。
憲人のドラマへの執着や葛藤がもう少し書き込まれていたら映画を見るように楽しめたかも。

能楽者・憲人の能楽生活。
今回はほぼ、憲人が出演するＴＶドラマのお話で
ドラマ出演前の憲人のやりとりが少し描かれている他は
劇中劇のように、ドラマ「石に願いを」自体の物語が描かれています。

そのメインになっているドラマは、
憲人が演じる能楽者のお弟子さんであるアメリカ人が
お稽古帰りに水死し、はたして事故か他殺か？というミステリー調のドラマ。
サスペンスというよりは、人間ドラマが主です。
舞台は京都の宇治で、
日本とアメリカの文化の違いなどにも観点がおかれた作品です。

今回はドラマ「石に願いを」がメインだったので
いつもとは違う雰囲気でしたが、面白かったです。