数年たち、何作かストーリーを仕上げ投稿して
賞も得ましたが、それからが停滞。
もっと面白くするには何が必要なんだろうと模索しました。
そんな時、そういえば、と読み返したのが本書。
漫画独特の演出法、絵で見せる意味
作風や枚数で変える必要のある人称、視点
モノローグの効果、人物の性格を見て分らせる方法・・・。
今まで、どの本にも書かれていないような専門的で
細かい内容に驚きを隠せませんでした。
竹宮恵子さんと言えば萩尾望都さん、
大島弓子さんと並ぶ少女漫画界の大御所。
「地球へ・・・」
「ファラオの墓」
「風と木の詩」など名作は数知れず。
実績のある彼女が、30年という年月の間に培った漫画独特の
技法を、惜しむ事無く教えているのには本当に驚きです。
数年前から、大学で漫画を教えるために教壇にも立っているとか。
漫画を読んで「面白い」のは偶然や作者の感性だけでは無く
キチンとした理論と、技術があっての事なんだ、と初めて知りました。
本書の内容は対談方式。
対談相手は漫画評論・研究者として有名な藤本由香里さん。
藤本さんは編集者でもあるので、対談の中には
投稿者にありがちなパターンや失敗も語られていて
投稿者にとって参考になる点も多々あります。
漫画初心者には、少し内容が難解で向かないと思いますが
ある程度、描けるようになって停滞している方にとっては
突破口になる事は間違いありません。