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ゴッドファーザーの息子 手塚治虫名作集 (1) (手塚治虫名作集) (集英社文庫)

価格: ¥570
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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最初の理解者 ★★★★★
7作品が収録されていますが、戦時中と戦後間もなくを扱ったものが5作品を占めています。
秀逸なのは、やはり表題作です。
本作が、どの程度事実なのかは分かりませんが、一つだけ確実にいえることは、作品中にもあったように、手塚治虫が戦争中もマンガを描き続けていたことです。そして、それは手塚の戦争への抵抗であるとともに、生きている証だったのでしょう。
ヤクザの親分の息子は、戦前という時代の中で、女性にたいする素直な思いを表現することもできません。だからこそ、素直にマンガを愛する手塚を、そしてその思いを認めたように思われます。さまざまな作品を世に送り出す作家・マンガ家・音楽家などが、最初の理解者への感謝を口にしています。本作では、それが「ゴッドファーザーの息子」だったのです。
残念なのは、彼が戦後の手塚の活躍を知ることができなかったことです。
多くの作品の中で「平和」を願い続けた手塚ですが、本作も同じ熱い思いが詰まったものです。
戦争ものだけど読後は重くない ★★★★★
戦争ものの漫画とか重苦しくってちょっと昔から苦手だったんですけど、さすが巨匠だけあってその読み口のさわやかなこと。
全く説教臭くもなく、自虐ギャグや「オムカエデゴンス」のような手塚キャラを絡めて後味は非常に軽い。(多分に脚色はあって当然と思いますが、別にそんなことは問題じゃあない。)
でもって、やっぱりちょっとうるっと来てしまいました。
これらの話はほとんど手塚氏の夢見がちな視点から書かれているので、戦争に対する距離感はちょっと一般の人々とは異なっているかもしれない。
また、絵のタッチが独特の美意識で描かれているので生々しさはあまりない。
戦争のバカバカしさやそれでもやっぱり懲りない人々を達観した視点で描くこの作品は、悲しみのトーンよりも生きて創造する喜びのトーンが強めに出ていて、気軽に手に取り何度も鑑賞に堪え得る敷居の低い作品集で、ちょっと毒はあるけれどそれも含めて次の世代にも読み継がれていって欲しいと思わせる。
戦争の悲惨さをさり気なく伝えている ★★★★★
率直に言って感動します。人によっては泣いてもおかしかないと思います。
あえて一つを選ぶとしたらやっぱりゴッドファザ―の~です。読んだあとにこれが作者の体験をもとに書かれたと知った時はびっくりしました。それだけに最後の話は感動的。
また紙の砦と言う話も作者の実体験がもとになっており。作者の戦争体験が生々しく伝わってくる。