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警告 (講談社文庫)

価格: ¥980
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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人気の検死官シリーズ、パトリシア・コーンウェルのスカーペッタ・シリーズ第10作『Black Notice(邦訳:警告)』は、凄惨なシーンも忘れず書き込まれた、興奮度満点の読み物である。…バージニア州リッチモンドに本格的な冬が訪れた。検屍局長ケイ・スカーペッタの住む世界には陰鬱とした空気が満ちている。警察官で最愛の姪ルーシーは、マイアミで危険な極秘捜査に参加している。ケイおばさんはルーシーのことが心配でたまらない。新任の本部長補佐ダイアン・ブレイは、ケイの部局を強権的に管轄下にしようと考えている。一方、オフィスの奥では、何者かがEメールシステムを操作して、ケイの個人情報を盗み出し、彼女を中傷するメールを流そうとしている。スカーペッタは精神的に疲労しきって、発狂することを恐れる。…それとも何者かが、故意にこの悲しみの種をまき散らしているのだろうか…?

こういった個人的な問題にもかかわらず、スカーペッタは相変わらず検死局の女神である。彼女はコンテナ船の中で発見された腐乱死体を調査するため、現地へと飛ぶよう指示される。「目はカエルのように張り出し、頭皮とあごひげは、その黒ずんだ外皮といっしょにはがれかかっている」。ケイはその男の服に、動物の毛にも似た奇妙な頭髪が付着しているのに気づく。この頭髪は、その数日後に殺された店の従業員の死体にも付着していた。こうした奇妙な殺人は、バージニアをはるかに越えて広がっていく…リッチモンドの殺人犯はフランスでも惨殺を繰り返したのだ。ケイとピート・マリーノ警部はパリへ飛ぶ。しかしパリの遺体保管所から最高機密の情報をかき集めながらも、自分たちが犠牲者にならないよう万全を期する必要があった。

この背筋の凍るような大著は、これまでのスカーペッタ物語9作をひとまとめにしたようなものである。身の毛のよだつ、それでいて惹きつけられる検死場面。ひねりの多い展開。これまでよりは少し繊細な感じがするが、それでも検屍官スカーペッタはやはり、読者を魅了する。