…が、清水玲子さんの漫画の持ち味だと思っています。
この作品はその真骨頂ではないかと思います。

この作品は巻数を追うごとに、登場人物の悲しいすれ違いが続いていきます。
お互いに大事に思うばっかりに、幸せになれない…みたいな。
ジャックとエレナもすれ違ってしまうのか！？というところは読んでのお楽しみ。

それが非常に美麗な絵でつづられていきます。
特にルルブ族の王宮や、カテア女王の着ているドレスなどは、とても繊細で美しくため息が出ます。
（ドレスはミュシャの絵からインスピレーションを得ているそうです）

最後はＳＦらしいスケールの大きな展開になります。
ジャックとエレナという魅力的なキャラクターもあいまって、私の中では一番好きな作品です。

万能なエレナと　優しいけれどちょっぴり頼りないジャックのアンドロイド２人が主人公の物語です。

悲しいことや辛いことがあっても、死ぬことが出来ない彼らはどうやって生きていくのか。
不死であるがゆえの苦しみがとても切なく表現されています。

ワガママで勝ち気なエレナが、ジャックにだけ甘えているのも、とても愛しく感じられます。

清水玲子さんの作品て発想が奇抜なものが多くていつも読み応えがあるし、ドラマチック。絵がとてもきれいだし。その中でも一番のお勧めがこれ。アンドロイドの話なんだけど､不老不死ゆえの哀しさとか、その他いじらしいまでの親子の愛情が描かれていて切ないです。本当に最後の最後までドラマチックで読み応えがありました。お勧めです。