錨(いかり)を上げて [DVD]
価格: ¥2,100
ジーン・ケリーとフランク・シナトラがコンビを組んだミュージカル・コメディは3作を数えるが、その最初の1本がこれ。水兵たちがハリウッドで甘くとろけるような休暇を過ごし、若くて不器用、内気なシナトラが、気心の知れたケリーから人生のコツを学ぶ物語。2時間超という長すぎる上映時間では、ストーリーに重点が置かれず、さまざまな趣向が凝らされている。物語が感情に訴えるよりも、一級のエンターテインメント要素が前面に押し出されるのだ。
シナトラが口ずさむのは「I Fall in Love Too Easily」や「What Makes the Sunset」。快活なキャスリン・グレイソンは「All of a Sudden My Heart Sings(たかなる心の歌)」を歌う。クラシック界の名ピアニスト、ホセ・イトゥルビによる幕間の演奏は、やや通好みだが聴きどころだ。そして“女性を追いかける”というテーマとまったく関係なく登場する、ジーン・ケリーと、アニメの有名キャラ「トム&ジェリー」のジェリーとのダンス。ディーン・ストックウェルの映画初出演作でもあり、彼は自己中心的なケリーを改心させる孤児を演じている。
監督は、MGMの権力者で、ミュージカルのスペシャリストであるジョージ・シドニー(『ショウボート』『キス・ミー・ケイト』)。巨額の製作費をかけたテクニカラーの本作は、1945年のMGMを代表する大ヒット作となった。(Sean Axmaker, Amazon.com)