ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 [DVD]
価格: ¥5,040
この映画でのゴジラのキャラクターに、核の申し子、恐怖の象徴をであることを求めるのは酷というものだろう。そうしたテーマ性を中途半端に消化している、というのではなく、「オール怪獣大進撃」はむしろそのような要素を捨て去った作品なのである。本作での本多猪四郎監督の視点は子どもの社会にフォーカスし、内向的な少年が通学途中に会ういじめっ子から逃げることなく立ち向かう、その精神的な成長を怪獣島で暮らすゴジラとミニラ親子、そして敵怪獣ガバラとの関係をオーバーラップして描いており、一種のジュブナイル・ファンタジーともいえる作品に仕上がっている。
ガバラにかなわず、すごすごと戻ってくるミニラを勇気づけるためとはいえ、実の息子に膝蹴りを食らわせるゴジラの暴力パパぶりには、ちょっと面食らってしまうが。(斉藤守彦)