Love Supreme [12 inch Analog]
価格: ¥1,326
マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズを伴ったコルトレーンのカルテットを、「黄金のカルテット」と呼ぶ。60年代前半から半ばにかけて活動したこのカルテットは、マイルス・ディヴィスが50年代後半に打ちだしたモードジャズを前進させ、ジャズの歴史に偉大な足跡を残した。
コルトレーンのアイデアを実現するためには、単なるカルテットではなく、特別のカルテットが必要だった。たとえば、ポリリズムを求めるコルトレーンには、ほかのドラマーではなく、エルヴィンが不可欠だったのである。
64年に録音した本作は、その黄金のカルテットの集大成盤ともいえる作品で、そのため同カルテットの最高傑作との呼び声も高い。4部からなる組曲形式になっていて、その後のコルトレーンに顕著となる宗教色も色濃い。とはいえ、それは特定の宗教とは関係なく、むしろ哲学的な問題に対するコルトレーンの立場を鮮明にしたものと考えたほうがわかりやすい。ともかく、あらゆる面において完成度の高い作品だ。(市川正二)