月光条例はいままでの藤田マンガとちょっと違う。
「うしお」も「からくり」もキャラの掘り下げがしっかりしてるんだけど、月光条例の場合はまずフルネームがある奴が珍しいくらい。ヒロイン？のエンゲキブも、第2ヒロイン？の工藤サンもフルネームはない。
ついでにヒロイン多すぎなのはいつものこと。
主役が好かれてるって意識ゼロなのもいつものこと。

話の展開がｽﾛｰﾘｰ。
うしおもからくりも壮大な目的が早めに提示されるのだが、月光条例はやっとこの10巻くらいから壮大な話になりそうな予感。あくまでまだ予感なので引き伸ばされるかもしれない。

藤田氏の描く創作物には溢れんばかりの魅力が詰め込まれており、
それの虜となった読者は数知れず。そしてその一つとして挙げられるのが
「うしおととら」や「からくりサーカス」でも炸裂した「女性」の描写である。

いや、もう多くは語るまい。
夏。制服のままプールに飛び込んだ工藤さんの姿に惚れなかった男性読者はおるまいて。
そりゃイデヤも夢中になるってもんです。もうこのワンシーンだけで今まで月光条例を
読んでて良かったという、えもいえぬ幸福に包まれましたよ。

レビューともなんともつかない文を書いてしまいましたが、それほどまでに魅力的に工藤さんを
物語の山場であるアラビアンナイト編を迎える前に、しっかりと目に焼き付けておきましょう。
惚れ直すこと間違いなしです。

しっかし、酷いレビューだ。