「ジョセフ・ピラティスが言ったことを思い出してください」とインストラクターのアナ・キャバンは言う。「10回やれば、気分がよくなります。20回やれば、見た目がよくなります。30回やれば、まったく新しい体に生まれ変わります」。ピラティス・メソッドは非常にポピュラーになったが、それにはちゃんとした理由がある。主要な筋肉（体の中心を占める腹筋と背筋）を動かすことで、体を鍛え、姿勢をよくし、スラリとしたボディ・ラインを実現することができるのだ。
   ピラティス・インストラクターの資格を持つアナ・キャバンは、素晴らしい教師である。まず彼女は、ひと通りの流れとテクニックを10分間にわたって実演し、今後出てくる用語と基礎練習のやり方を説明し、腹部と背中を強くするために主要な筋肉をワークアウト中どう使えばいいか強調する。その後、やりがい満点のピラティス運動を20分間にわたって紹介。指示は明快で、実演は美しく、テクニック・呼吸・フォームについてのアドバイスを休みなく与えてくれる。 　本作はピラティスの初級編だが、ピラティスとは決して簡単なものではない。したがって、この種のエクササイズに不慣れな人は、本作が取り上げている運動を非常に難しいものと感じることだろう。たとえば、どんな動きをするときも腹筋を締めていられるようにならないといけないし、使うべき筋肉以外は動かさず、体の残りの部分は安定筋群を使って静止を保たなくてはいけない（実際にやってみると、想像以上に難しい!）。キャバンの動きについて行けない場合や、筋肉が疲労してしまった場合に備えて、もうひとりのインストラクターが全編でモディフィケーション（加減の仕方）を示してくれる。ピラティスを始めてみたいと思っていて、やる気と根気を持っている人にはイチ押しのビデオだ。（Joan Price, Amazon.com）