ダーウィン賞を受賞するのは、こんな連中だ。サマータイムのときに設定した時限爆弾を、スタンダードタイムに切り替わったあと運んだために爆死したテロリスト。ベンガル虎の首に花輪をかけた人々。バーに持ち込んだ地雷を順番に踏みつけたカンボジア人の男たち。井戸に落ちた鶏を救おうとして溺死した6人のエジプト人(ちなみに鶏は助かった)。夫婦喧嘩の最中、妻を6階の窓から放り投げたものの、彼女が途中で電線にひっかかっているのに気づいて、「彼女を完全に落とそうと思ったのか、はたまた後悔して助けようと思ったのか」窓から飛び降りたブエノスアイレスの男。結果、男はぺしゃんこにつぶれ、妻は無傷のまま助かった。
いくつかの都市伝説も紹介されている。自分のシボレーにジェット噴射の離陸装置を取り付けて125フィートの崖の上まで飛んだという軍曹の話(これはウソだと著者のウェンディ・ノースカットは言っている)。あるいは、イスに気球を取り付けて、上空1万6000フィートまで上昇し、送電線にぶつかってカリフォルニアのロングビーチ一帯を停電させたあげく、警察に「男ってのは、ただ座っていることができないんだ」と言ったという男。一番のお気に入りは、同じキングコブラモドキに9回も噛まれたという男だ。彼は蛇をカバンに入れて車の座席に置き、何度も左手をその中に突っ込んだというのである。それにしても、男はなぜ左手で蛇をつかもうとしたのか?
「なぜって、右手にはビールを持ってたからさ」
どこの話かって?オーストラリアのダーウィンである。
ダーウィンにはたちの悪いユーモアをもつ人間などいないと思っている人。『The DarwinAwards』を読めば、きっと考え方が変わるだろう。