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作家論 (中公文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:三島由紀夫/著 出版社名:中央公論社 シリーズ名:中公文庫 発行年月:1979年 関連キーワード:サツカロン チユウコウ ブンコ さつかろん ちゆうこう ぶんこ、 チユウオウ コウロンシヤ チユウオウコウロンシヤ 4622 ちゆうおう こうろんしや ちゆうおうこうろんしや 4622、 チユウオウ コウロンシヤ チユウオウコウロンシヤ 4622 ちゆうおう こうろんしや ちゆうおうこうろんしや 4622
愛憎表裏一体の作家論 ★★★★★
あとがきにもある通り「谷崎潤一郎」論は本書中の白眉で、現役バリバリの実作家によるほとんど研究論文と言える内容である。しかしそれは外見だけであって込められた情熱は半端ではなく論文らしからぬもので、谷崎氏が遺したあからさまな芸術論が展開される異色作「金色の死」に偶然開いた精神の風穴への攻撃的侵入がその骨子である。「大天才」と敬慕しながらも、超然たる姿勢を貫いた芸術家谷崎氏を丸裸にせしめんとする迫力、明晰な頭脳対頭脳の果たし合いにも似た迫力に圧倒されるばかり。愛してやまなかった元恋人に対する復讐の念まで感じられるほどである。賛美される絶頂美を極めた自己の死をもって芸術的完結とする「金色の死」に対する評論を執筆した作者の昭和45年、正にその年に自決した史実の恐るべき符合から、今では遺書とも読み取れる評論なのかもしれない。

日本語表現の両極と見做した二人、森鴎外と泉鏡花、様々な観念から隔離泰然する存在と評した川端康成論も面白い。作家論を借りながらも自分の事を語らずにはいられない、知的で論理的な文章構造に垣間見えるそんな人間臭さ、そこが本作最大の魅力ではないだろうか。