アヴィシャイ・コーエンの魅力が迸る傑作! イスラエル出身のベーシストで、間違いなく現在ジャズ・シーンで注目のべーシストのひとりといえる存在のアヴィシャイ・コーエン。この新作が自身12作目で、ブルーノートからは前作『オーロラ』に続く2作目となるが、この『七つの海』と題された作品でもアヴィシャイのウッド・ベースとヴォーカルにゾクゾクさせられる。 アヴィシャイ・コーエンといえば、2008年に発表し名作と称されたトリオ・アルバム『覚醒』が取り上げられることが多いが、前作でも体感した彼自身の音楽のルーツを感じさせながら、ピチカート、ボウイング、ハンマリングによる個性的なウッド・べース、管楽器にピアノ、ウード、パーカッション、ヴォーカルが様々な世界観を表現する。特に「七つの海」、「アニ・アフ」、「トゥー・ローズ」が好きだ。 米ダウンビート誌がアヴィシャイ・コーエンを“地球規模のジャズの夢想家"と称したが、正にその表現がピッタリの傑作! (加瀬正之)